オミクロン変異株の派生株、重症化に至らぬ可能性 WHO

初期の分析でオミクロン株の派生株は重症化に至らない可能性があるとWHOが発表した/NIAID-RML

2022.02.03 Thu posted at 17:30 JST

(CNN) 世界保健機関(WHO)は3日までに、新型コロナウイルスのオミクロン変異株について、派生株の「BA.2」が世界で最も広まってきた「BA.1」に急速に置き換わっているものの、初期段階のデータ分析では重症化などを招く相当な感染力を有することを示唆していないと報告した。

WHOの新型コロナ対応チームで実地疫学担当を統轄するボリス・パブリン博士が記者会見で述べた。「現時点で警戒を引き起こす兆候は見せていない」とした。

BA.2による感染はフィリピン、カタール、インドやデンマークで既に主流となっており、ほかの複数の国でも近く同様の状態になる勢いだと説明。

デンマークを含む諸国での直接的な臨床データを比較した場合、この派生株による症状はBA.1ほど深刻ではないとした。

感染の広がりはより多くの入院患者につながるが、BA.2が主流な国では入院率が予想に反してより高くなる水準に結びついていないとも指摘。

ただ、入院率や死亡は現状より遅れて出てくる特徴もあり、BA.2の活動期間が初期段階にあり、入院などの増加率を見極め出来ない可能性もあるとした。

デルタ株同様、ワクチンにはオミクロン株の重症化も防ぐ十分な効果が見込めるという

同博士は、英国やデンマークでのデータを踏まえ、新型コロナワクチンはBA.1に対して同様、BA.2にも効いていると分析。オミクロン変異株は、ワクチンを2回接種済みの人が感染する「ブレークスルー感染」を数多く引き起こし、発症をもたらすが、追加接種のブースターは防御力を相当な程度増大させるともした。

BA.2やBA.1による発症に対し2~3回のワクチン接種でその効力は約13%から約70%に高まったとも述べた。

博士は、ワクチン接種にオミクロン変異株への感染を撃退する効果はないが、デルタ変異株に対して見られたように重症化を十分阻止し続ける力はあると強調。ワクチン接種が必要不可欠な対策であることに変わりはないと述べた。

新たな変異株の出現を阻むため新型コロナの感染を封じ込むことが依然、必要な課題であると主張。「次の変異株は、変異株であるための条件を備えるためオミクロン株より感染力が強いだろう」とも推測し、「より多くの重症化をもたらすかもしれないし、そうではないかもしれない」と続けた。

新型コロナ対策の制限緩和などを打ち出している国にも触れ、再び事態が悪化した場合、規制措置を元に戻す準備をする必要があるとも勧告した。

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