米連邦地裁、加州の攻撃武器禁止法を覆す 「AR15は十徳ナイフと同様」

米カリフォルニア州の販売店で売られている銃器/Bing Guan/Bloomberg/Getty Images

2021.06.05 Sat posted at 18:40 JST

(CNN) 米カリフォルニア州南部地区の連邦地裁は4日、武器所持の権利を認めた合衆国憲法修正第2条に違反しているとして、攻撃用武器の禁止を定めた州法を覆す判断を下した。判事は攻撃用ライフル「AR15」をスイスアーミーナイフ(十徳ナイフ)になぞらえる見解を示している。

裁判所の決定文によると、カリフォルニア州では1989年から攻撃用武器が禁止されてきた。この法律は最初に可決されて以来、何度か修正を経ている。

ロジャー・ベニテス判事の決定文では、攻撃用武器の禁止により、州民は他の州で通常認められる攻撃用武器を所持する機会を奪われていると指摘。判事は同法の執行を終局的に差し止める命令を出した。

ベニテス判事は決定文で、「高い人気を誇るAR15ライフルはスイスアーミーナイフと同様、自宅防衛用の武器と国土防衛用の武器の完璧な組み合せとなる」「『攻撃用武器』とみなされている火器は、ごく一般的で人気のある、現代的なライフルだ」と述べた。

またメディアをやり玉に挙げ、「メディアの報道などから、米国に殺傷力の高いAR15があふれていると思い込む人がいても仕方ないだろう。だが、この誇張には事実の裏付けがなく、事実は重要だ」としている。

ただ、AR15タイプのライフルは多くの銃乱射犯が犯行に使用する武器となっており、コロラド州オーロラの映画館やフロリダ州パークランドの高校、コネティカット州のサンディフック小学校などで起きた乱射事件で使用されてきた。

カリフォルニア州のニューサム知事は4日、AR15を「戦争の兵器」と呼んで裁判所の判断を批判。判事がスイスアーミーナイフとAR15を比較したことについて、「今回の判断の信頼性を完全に損なうものであり、この兵器で愛する人を失った遺族の顔に平手打ちを加えるようなものだ」と述べた。

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