(CNN) 米テキサス州デントンのレストランが入店の際に義務づけている新型コロナウイルス予防策のマスク着用の理由を客などに求められた場合、「50ドル(約5450円)」の追加料金を請求する珍しい営業方針をこのほど打ち出した。
冗談とも受けとめられかねない措置だが、同店「レジェンズ・ダイナー」を営む夫婦は顧客や従業員の安全を確保するための真剣な対策と説明。客らがマスク装着に同意せずその言い分を聞かねばならなかった時は75ドルを求めるとしている。
今回の追加料金の請求方針は、テキサス州政府が今月10日、マスク着用の義務化を含む予防対策を緩和した数日後に店入り口の窓ガラス上に掲示した。
経営者の夫は、インターネット上で似たような掲示を見つけ面白いと思ったと指摘。メッセージを明確に伝えられると思い、採用したと振り返った。従業員の1人である美術専攻の学生がマスク姿の絵柄をガラスに描き、「マスクは政治でなく敬意を表するためのもの」との字句も添えた。
今回の措置は店の顧客から大きな反応を呼び、近辺の企業の一部はその行動をたたえたという。ただ、インターネット上では不満を伝える声も出ている。
経営者の妻は腫瘍(しゅよう)科の看護師を28年務めた経歴を持つ。一部の批判については「顧客にお願いしていることはマスクを着けずに食事している他の客近くを通る時、マスクを着用してと頼んでいることに尽きる」と述べた。
同州政府の活動制限の緩和については、住民へのワクチン接種がまだ少なく、ウイルス変異株の感染が広まるなかで時期尚早との批判も出ている。