エアビー宿泊施設に隠しカメラ、ライブストリーミングも アイルランド

バーカーさん一家が隠しカメラからライブ配信されていた映像をキャプチャーした画像(上)/Nealie Barker

2019.04.06 Sat posted at 13:33 JST

(CNN) ニュージーランドからアイルランド南部コークを訪れていた旅行者の一家が、民泊仲介サイトの米エアビーアンドビーを利用して宿泊した施設に隠しカメラを発見した。ライブストリーミングも行われていたという。

被害を訴えているのはオークランド出身のニーリー・バーカーさんとアンドリュー・バーカーさん。欧州各地を巡る14カ月の旅の途中、4人の子どもとめいを連れてエアビーアンドビーで選んだ物件に到着した。

荷物を取り出した後、ITセキュリティーの分野で働くアンドリューさんがWi-Fi(ワイファイ)ネットワークをスキャンしたところ、カメラが検出され、ライブストリーミングの映像も見つかった。

映像の撮影角度を手がかりに一家で室内を調べ、煙警報器か一酸化炭素検知器とみられる装置の中に隠しカメラがあるのを突き止めた。

ニーリーさんはCNNの取材に「大きなショックだった。心から恐怖を感じた」と語る。

ニーリーさんはエアビーアンドビーにカメラの件を報告。しかし助言は得られず、14日以内のキャンセルは返金されないとだけ告げられたという。

バーカーさん一家が隠しカメラからライブ配信されていた映像をキャプチャーした画像

続けてアンドリューさんが大家に電話したところ、大家はいったん切った後にかけ直してきて、家の中にあるカメラはリビングのものだけだと主張した。カメラは大家の資産を守るために設置したとも述べたという。

ニーリーさんは「その言葉を聞いても安心はできなかった」。ライブストリーミングや音声の録画について聞いても大家は確認を避けた。

一家は近隣のホテルに移り、翌日エアビーアンドビーに電話したが、「まだ問題の深刻さが分かっていない様子」で、予約のキャンセル案件として扱っているようだったという。最終的には安全対策チームが調査を約束し、この物件の掲載が一時的に停止された。

その後エアビーアンドビーからの連絡はなく、2週間後にニーリーさんから連絡を取ったところ、大家に問題はなく掲載を再開したと告げられた。

ニーリーさんはこれを受けフェイスブックにこの出来事を投稿、ニュージーランドの地元メディアが報道した。その後初めて、大家に対する永久的な掲載禁止の措置がとられたという。

煙警報器か一酸化炭素検知器とみられる突起の中に隠しカメラがあるのを突き止めた

エアビーアンドビーはCNNに寄せた声明で「コミュニティーの安全とプライバシーは我々の優先事項だ。エアビーアンドビーの規約では隠しカメラ設置を厳禁にしており、あらゆる違反について報告を極めて深刻に受け止めている」「本件に対する最初の対応は我々自身に求める高い水準に達していなかった。一家には謝罪と全額の返金を行った」と述べた。

ただ、掲載物件への5億人以上の宿泊客がいる中で、問題となる事案は極めて少ないとも言い添えた。

アイルランドのデータ保護委員会は本件を認知しており、エアビーアンドビーからさらなる情報提供を求めていると述べた。

バーカー一家は現在、ハンガリーのブダペストに滞在中。エアビーアンドビーを利用して宿泊しているという。ニーリーさんは「旅行市場は規制が緩い」と述べ、他の旅行者に対して隠しカメラの探し方を学んだ方がいいと助言している。

エアビー宿泊施設に隠しカメラ、映像をライブ配信

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