米国のファストフード依存調査、成人36.6%が常時摂取

米国の成人の36.6%がファストフードを毎日摂取するとの調査結果が出た/Shutterstock

2018.10.13 Sat posted at 17:25 JST

(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は13日までに、米国人成人のファストフードの飲食に関する報告書を新たにまとめ、2013~16年では36.6%がどの日でも摂取していたとの現状を発表した。

報告書の執筆者でもある医療関連統計の専門家によると、この比率は人数にして約8480万人に相当。2013年に発表された保健関連データによると、米国人の成人は07~10年の間、1日に摂取するカロリーのうち平均で11.3%をファストフードから得ていた。

今回の報告書は13~16年の20歳以上の約1万人を対象にした国民健康栄養調査の結果などを盛り込んで作成。報告書作成の狙いについてはここ数十年間、米国人の食事メニューの中でファストフードが占めている大きな役割に言及。ファストフードは健康維持には良くなく、肥満に陥る危険性の増大と関連付けられてきた見方も調査の動機とした。

報告書には年齢別、収入水準、人種や性別のデータも含まれた。例えば、20~39歳層ではいつでもファストフードを口にするとしたのは44.9%。40~59歳層では37.7%、60歳以上では24.1%だった。

摂取の比率は収入額が増えるごとに上昇する傾向も判明し、低所得層では31.7%、中間層では36.4%、高所得層では42%となっていた。公衆衛生の専門家はこの結果に最も驚いたと述べた。

ファストフード摂取の比率には、収入額が増えるごとに上昇する傾向が見られたという

ファストフード消費を人種別に見た場合、非ヒスパニックのアフリカ系(黒人)の成人は42.4%で、非ヒスパニックの白人は37.6%。非ヒスパニックのアジア系は30.6%で、ヒスパニックは35.5%だった。

口に入れる時間帯では、43.7%が昼食に、42%が夕食、22.7%が朝食、22.6%が間食としてだった。

性別では、昼食として摂るとしたのは男性が48.3%で女性は39.1%。間食は女性が25.7%で男性が19.5%。どの日でも食べるとした比率では男性が37.9%で、女性は35.4%だった。

今回調査に必要なデータは対象者との個別聴取を通じ過去24時間内の食事内容を思い起こしてもらう形で進められており、現状の正確な反映では一定の限度がある。調査対象者の記憶に頼る方式では過少報告などの問題が出てくるという。

米コネティカット大学の保健医療学のジェニファー・ハリス准教授は今回の報告書について、大半の専門家が予想出来る内容だったとし、子どもの間で見られる傾向が表れていたと指摘。記憶方式で食事内容を尋ねる方法では他の調査でも似たような結果が出ているとし、子どもの約3分の1がいかなる日でもファストフードを食べると言ったような傾向に注意を促した。

健康志向のメニューも登場しているが、それ以外の品目はカロリーの高さに注意が必要だ

食事内容の改善などを研究する米NGO「ラッド・センター」は先月、両親の91%は昼食もしくは夕食時に子どものためのファストフードを4大チェーン店の1店で購入していたとの調査報告書を発表。調査は16年の実施で、両親の871カップルにインターネット上で尋ねていた。4大チェーン店はマクドナルド、バーガーキング、ウェンディーズにサブウェイとなっている。

同准教授は平均して1週間に2.4回はこれらの店を訪れている計算となり、子どもの約3分の1がファストフードに頼っているデータとして理解出来ると述べた。

91%との数字は、771カップルを対象にした10年の同様調査時の79%、835カップルの13年調査時の83%からいずれも増えていた。

ハリス准教授は、ファストフード業界が10年以降、宣伝活動を大幅に増やしたのは周知の事実とし、両親は利用しやすく、値段が手ごろで子どもが好きな食べ物があるファストフード店を愛用していると説明した。

その上で店側は子ども向けにより健康なメニューを打ち出している現状に触れ、一部はそうであったとしても他の品目はカロリー量が高く、脂肪分や塩分が高水準にあると注意を促した。

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