「悪夢の耐性菌」、米27州で検出 CDC報告書

「悪夢の耐性菌」と呼ばれる細菌から200以上の希少な抗生剤耐性遺伝子が見つかった

2018.04.04 Wed posted at 12:29 JST

(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は3日に発表した報告書で、「悪夢の耐性菌」と呼ばれる細菌から、200以上の希少な抗生剤耐性遺伝子が見つかったことを明らかにした。

CDCのアン・シュチャット主席副局長は、「その数の多さに驚いた」と話している。

報告書では、高い耐性をもつものの、まだ広範には感染が広がっていない耐性菌にスポットを当てた。それでも全ての州で、さまざまな耐性菌が見つかっている。

シュチャット氏によると、米国の耐性菌感染者は年間200万人、死者は2万3000人に上る。

今回の検査は2017年に実施され、病院や介護施設で見つかった耐性菌の分離株5776株を調べた。その結果、およそ4株中1から、耐性菌の拡散を助ける遺伝子が見つかった。さらに、221株は「特に希少な耐性遺伝子」をもっていた。

その後の追跡調査では、患者と接触した人のうち、10人中1人に近い割合で陽性反応が出た。「異常耐性菌はほかの患者に拡散し、気付かれないまま感染を広げている可能性もある」とシュチャット氏は話す。そうした「無症状の保菌者」が、どの程度の頻度で感染を拡散させているのかは分からないという。

シュチャット氏によると、「これは1州や2州に限った問題ではない」。221の希少耐性遺伝子は、27州で肺炎や血流感染、尿路感染などの症例に関連して採集された分離株から見つかっていた。

そうした希少遺伝子について検査したのは今回が初めてだったことから、CDCではトレンドに関する統計はまとめていない。

耐性菌を巡っては、米衛生当局の研究で1988年、耐性腸内細菌科細菌と呼ばれる細菌の一部が、一般的な抗生剤を分解する酵素を生成できることが分かった。

2001年までにはこの細菌が進化を始め、カルバペネムなどの抗生剤に対する耐性を強めるようになった。CDCが「悪夢の細菌」と命名したこの耐性菌は、米国や世界各国で急速に感染を広げている。

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