国連総会、エルサレム巡り米非難決議を採択 米の脅しに屈せず

国連総会がエルサレム巡り米非難決議を採択

2017.12.22 Fri posted at 10:18 JST

(CNN) 国連総会は21日、トランプ米政権がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことに対する非難の決議案を圧倒的な支持を集めて採択した。

採決に先立ち米国のヘイリー国連大使は、もし決議案が採択されれば国連への拠出金について考え直すと述べ、直接的な脅しをかけていた。

採決では128カ国が決議案に賛成し、9カ国は反対、カナダやメキシコ、オーストラリアなど35カ国は棄権した。

反対票を投じたのは米国とイスラエルのほか、ミクロネシアやグアテマラ、ホンジュラスなど小国が中心だった。棄権に回ったのはチェコ、ポーランド、ハンガリー、クロアチア、南スーダンなど。21カ国は欠席した。

ヘイリー大使は決議案について、「我々が再び(国連に対して)世界最大の貢献を求められたとき」、および他の加盟国からさらなる援助や影響力の行使を求められたとき、「米国はこの日のことを思い出す」と公言した。

さらに、在イスラエル米大使館をエルサレムに移す計画が、今回の採決によって変わることはないと強調し、「それが米国民の望みであり、正しい行動だ」と力説。「この採決は、米国人の国連に対する見方を変えさせるだろう」と語った。

トランプ大統領自身も20日の閣議で国連総会の採決に触れ、「我々に対する反対票を投じさせればいい。多額の節約になる。構うものか」と発言していた。

国連総会の緊急会合では、エルサレムの問題を巡って加盟国が相次いで米国を非難。米国の決定は国際法違反であり、不安定化を招くと指摘していた。

米国連代表部の報道官は採決後、9カ国が反対に回ったほか、35カ国が棄権し、21カ国が欠席したのは、ある意味で米国の勝利だったと総括し、「多くの国が、我が国を孤立させようとする非生産的な試みを巡り、米国との関係の方を優先した」と評価した。

ヘイリー大使の姿勢に対しては、米国内からも批判の声が出ていた。オバマ前政権で中央情報局(CIA)長官を務めたジョン・ブレナン氏はツイッターへの投稿で、「トランプ政権が、エルサレムを巡り国連の場で米国の立場に反対する国に対して報復の脅しをかけているのは言語道断だ。盲目的な忠誠と服従を期待する姿勢は、一般的に、自分に酔った復讐心の強い独裁者に見られる特性だ」と述べた。

国連総会がエルサレム巡り米非難決議を採択

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