イスラマバード(CNN) パキスタンの首都イスラマバードの裁判所は13日、全土でバレンタインを祝うことを禁止する命令を言い渡した。禁止令は即日発効する。
裁判所の命令では、インターネットや印刷媒体の広告でバレンタインデーに言及したり、関連商品を販売したりすることを禁止。公共の場や官公庁でバレンタインを祝うことも認めないとした。
同国の電子メディア規制当局に対しては、ネット広告を監視して違反があれば情報を提供するよう求めている。
バレンタイン禁止の命令は、市民の申し立てを受けて言い渡された。原告は申し立ての中で、バレンタインはイスラム教の教えに反すると主張して即時禁止を求めていた。
パキスタンではバレンタインを非道徳的とみなす意見もあり、イスラム政党のジャマティ・イスラミは毎年2月14日にバレンタイン反対集会を開いている。
2016年には北部のペシャワル市がバレンタイン禁止を発令。同年2月にはフセイン大統領が「パキスタンの伝統ではなく西側の伝統」だとしてバレンタインを祝わないよう国民に呼びかけた。
裁判所の判断を巡っては、ソーシャルメディアでも賛否両論が展開されている。
パキスタンではここ数年の間に、さまざまな企業が商品の宣伝にバレンタインを利用するようになっていた。店頭では2月初旬からハート形の風船が売り出され、赤いバラが値上がりする。
イスラマバードの市場でハート形の花飾りや花束を売っていた生花店の男性は、「4~5日がかりで作ったのに。明日販売するために40個も準備した」と禁止令に戸惑った様子だった。