米国防総省、F35とA10の性能比較試験を計画

次期主力戦闘機「F35」と対地攻撃機「A10」の性能比較試験が行われる

2016.04.29 Fri posted at 17:26 JST

(CNN) 米国防総省は29日までに、米軍の次期主力戦闘機「F35」と冷戦時代から運用されている対地攻撃機「A10」について、実際の戦闘状況を再現したうえで両機の厳密な性能比較試験を行う計画を明らかにした。

国防総省のマイケル・ギルモア運用試験・評価局長が26日、上院軍事委員会の公聴会で明らかにしたもの。近接航空支援や戦闘捜索救難活動などの作戦任務について、両機の性能比較試験を行う意向だとしている。

F35は2022年までに、米空軍の主要な対地攻撃任務でA10に取って代わる見通しだが、F35の能力を疑問視する声も上がっている。1機あたりの値段はF35が1億6300万ドル(約175億円)なのに対し、A10は1800万ドル。

ギルモア局長は性能比較試験について、「性能改善を図るために多額の資金を投じているなら、これがそれを実証する最も簡単な方法だ」としている。

A10は近接航空支援に特化して開発された米空軍唯一の航空機。中東における過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」掃討作戦では、近接航空支援が重要な任務になっている。A10は低速度や低高度での機動性に優れており、標的の上空を長時間にわたり旋回することができる。

冷静時代に製造されたA10

一方、F35は多様な役割を担うことを念頭に開発されており、A10とまったく同じ方法で機能するわけではないと、国防総省の当局者は指摘する。同省のフランク・ケンドル次官(調達・技術・兵たん担当)は上院公聴会で、「F35が近接航空支援を行う方法はA10とは異なる」として、A10とは異なる方針で運用していく考えを明らかにした。

ギルモア局長によると、性能比較試験では、標的を迅速かつ正確に攻撃する能力についてF35の作戦遂行能力を見極める方針。

国防総省は、試験では多目的機であるF35が勝利するとみている。ギルモア局長は「高脅威環境ではF35がA10よりも有利であることは明白だ」との見方を示す。ケンダル次官も「空対空戦闘ではA10は無力だ」と指摘。一方、F35は「航空支配や攻撃、近接航空支援など多様な任務を遂行すること」を念頭に開発されたとしている。

F35を映像で見る

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