米アップルの新しい「iPad mini」、本当に必要?

iPad miniは画面サイズ7.9インチ=アップル提供

2012.10.24 Wed posted at 12:30 JST

(CNN) 米アップルが23日に発表した多機能タブレット端末の小型版「iPad mini(アイパッド・ミニ)」。しかし、既に手持ちのスマートフォンやノートPC、それに従来サイズのタブレット端末に加えて、新しい小型のタブレットを買いたいと思うだろうか――。そんな疑問の声が、CNNや短文投稿サイトのツイッターに寄せられている。

iPad miniは、競合するアマゾン・ドット・コムやグーグルのタブレット端末よりやや大きく、これまでのiPadに比べると約3分の2のサイズ。米国での価格は最も安いモデルで329ドル(約2万6000円)と、フルサイズのiPad 2よりは70ドル安いが、アマゾンの「キンドル・ファイアHD」に比べると130ドル高い。

アナリストは一様に、販売台数は数百万台に上るだろうとの見方を示す。一方で、アップルの株価は発表後に下落し、ブログに書き込まれた消費者の反応を見ても、初代のiPadや、直近の数世代のiPhoneが発表された時ほどの熱狂ぶりは見られない。

CNNの読者からは、「アップルは毎年同じものを、サイズだけ変えて売っている」「iPhoneやiPadはいろんなサイズがありすぎる。いっそのこと、買う時にサイズの注文を受け付けてオーダーメイドで作ってほしい」などの声が寄せられた。

スマートフォンやタブレット端末は、ここ数年でサイズが大きくなったり小さくなったりしている。ビデオ鑑賞やゲームへの関心が高まったことを受け、スマートフォンの画面サイズは約3.5インチから5インチ近くまで、徐々に大型化した。

厚さ7.2ミリのiPad miniは11月発売=アップル提供

一方、タブレット端末は小型化が進んでいる。初代のiPadと、それに対抗して売り出された製品の画面サイズは10インチ前後だった。しかし最近になって登場したアマゾンのキンドル・ファイアやグーグルの「ネクサス7」は7インチと小さくなった。

iPad miniの画面サイズは7.9インチ、幅は約13.5センチ。ネットには、頑張ってポケットに入れようとするユーザーの写真も掲載された。

スマートフォンとタブレット端末の融合が進む中、メーカー各社は、持ち歩きやすく、しかも1時間や2時間見ていても目が疲れない大きさの画面という条件の間でバランスを取る必要に迫られてきた。

iPad miniの重さは、フルサイズのiPadの半分以下。アップル幹部は23日の発表会で、メモ帳ほどの重さしかないと述べている。

専用カバーも用意=アップル提供

それでも、ユーザーが実際に必要な端末は何台かという疑問は残る。消費者は329~659ドルをはたいてまで、手持ちのスマートフォンより少し大きいだけの端末を買うだろうか。

インターネットでは、あまり意味がないという意見がみられた。米誌フォーブス電子版は、「iPadはあらゆる面で称賛に値する。だがアップルが今日発表したのは革新的な製品ではなく、クローンだった」とする論評を掲載。ツイッターには「iPad miniを買うこともできるけれど、今のままiPhoneを使い続けても何も変わらないと思う」との書き込みもあった。

ただし初代iPadについても、2010年に発表された時点では、単に「iPod touch」(携帯音楽プレーヤー)を大型化しただけの製品にすぎないと切り捨てる声が多かった。しかしアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は23日、iPadのこれまでの販売台数が1億台を突破したと発表している。

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