「人生は予期せぬ驚きに満ちている」 イランに電話すると謎のメッセージ、情報統制の一環か

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イスラエル軍による攻撃で上空に立ち上る煙=17日、イラン首都テヘラン/Atta Kenare/AFP/Getty Images

イスラエル軍による攻撃で上空に立ち上る煙=17日、イラン首都テヘラン/Atta Kenare/AFP/Getty Images

(CNN) イラン国内にいる友人や愛する人に電話をしようとすると録音された奇妙なメッセージを耳にする事態が起きている。専門家からは、これはイラン政権による、より広範なインターネット遮断の一環との見方が出ている。

CNNが確認した通話記録によれば、イラン国外の人物が電話を通じて友人の声を聞こうとしたところ、代わりにロボットのような声が聞こえてきた。その声は「こんにちは。お時間を割いて聞いていただきありがとうございます」と語った。

メッセージは「人生は予期せぬ驚きに満ちている。こうした驚きは、あるときは喜びをもたらし、またあるときは我々に試練を与える」と続く。「重要なのは、これらの試練を乗り越えるために自分自身の中に強さを見いだすことだ」

この不安をかき立てるメッセージは約90秒間続き、その後、聞き手に対して目を閉じて「平和と幸福」をもたらす場所にいる自分自身を想像するよう勧める。

さまざまなバージョンが報告されているが、18日と19日にイラン国外からイラン国内の携帯電話に電話を掛けた際に最も多く聞かれたのがこのバージョンだったようだ。固定電話に電話した際には同様のメッセージは報告されていない。

こうしたメッセージは、イラン政府が18日に安全上の懸念を理由にインターネットのへのアクセスを全国で一時的に制限したことを受けて、広く聞かれるようになった。ネットの遮断を受けて、メッセージアプリ「ワッツアップ」が利用できなくなり、海外に在住している人たちはアプリを経由せず、イランにいる友人や家族に直接電話するようになった。アプリ経由で電話をかけた場合、メッセージは聞こえないと報告されている。

多くのイラン人は当初、こうしたメッセージはイスラエルのサイバー攻撃によるものだと考えていた。だが、イラン当局が背後にいると考える人もいる。

インターネットの統治を監視している非政府組織「ネットブロックス」の創設者兼代表のアルプ・トーカー氏は、こうしたメッセージについて、イラン政府がより広範なインターネットの検閲措置の一環として通信を制限しようとする取り組みだとみている。トーカー氏によれば、これらのメッセージは合成音声によって急きょ作成されたもののようだという。

ネットブロックスによれば、約62時間にわたる深刻な混乱の後、21日にイランの一部地域でネットサービスへのアクセスが部分的に回復した。

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