イスラエルがガザ北部「封鎖」、民間人を強制移動か 国連が警告
(CNN) 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は14日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区北部を事実上「封鎖」し、戦争犯罪に該当する「民間人の大規模な強制移動」を進めている可能性があるとの警告を発した。
イスラエル軍は1週間あまり前からガザ北部への集中攻撃を開始。北部の中心都市、ガザ市の北側の全住民に避難命令を出した。
また世界食糧計画(WFP)によると、イスラエル軍は今月初め以降、ガザ北部への食料搬入を阻止している。
OHCHRは14日、イスラエルが道路の通行を妨げている行為は事実上、ガザ北部の封鎖に等しいと指摘。逃げようとする住民らをイスラエル軍が銃撃したとの報道にも言及した。
また「イスラエル軍はガザ北部をほかのガザ地区から切り離し、パレスチナ住民の生命と安全を完全に無視して戦闘行為を続けている」との見方を示した。
イスラエルの作戦は、同国の退役将校、ギオラ・エイランド氏が先月提案した計画とよく似ている。同氏はガザ北部の全住民を退去させ、後に残ったイスラム組織ハマスの戦闘員らを包囲するよう提言した。
イスラエル内閣はエイランド氏の計画を全面的に採用してはいないが、同氏は先週、政府が自身の計画の1バージョンを採用したと主張した。事情に詳しいイスラエル当局者は、イスラエルがガザ全体での戦略の一部として、いくつかの計画を検討、実行していると語った。
イスラエル軍はCNNの取材に対し、ガザ北部への避難命令は無関係な市民を保護することが目的だと述べ、国際法に従う姿勢を強調した。
これに対してOHCHRは、住民の強制移動が戦争犯罪だけでなく、そのほかの違法な残虐行為に該当する可能性もあると指摘している。