恋愛にお金を使わなくなった中国の若者、政府が頭を痛める理由
香港(CNN) 中国が活況だったころの旧暦の七夕には、若いカップルが大きなバラの花束を抱えている光景は珍しくなかった。人々はパートナーから贈られた真新しいiPhone(アイフォーン)やルイ・ヴィトンのハンドバッグ、高級レストランでのディナーの写真をこぞってSNSに投稿した。
当時の中国の経済成長は世界の羨望(せんぼう)の的だった。今年の七夕である8月10日の状況はまったく違った。ネット上の人々は、景気低迷と厳しい雇用市場を挙げながら、贈り物やお祭り気分のなさを嘆いた。
「微博(ウェイボー)」では10日、「中国版バレンタインデーで消費が急落。若者は愛にお金を払いたくないのか?」というハッシュタグがトレンドトピックの1位となり、2億回表示された。
生花店のオーナーらは別のSNSで客足の少なさを嘆き、売れ残ったバラの写真を投稿した。CNNはこれらの主張を独自に確認できなかった。
中国は、消費低迷から長引く不動産不況、高まる債務危機までさまざまな問題に苦しんでいる。
七夕を前に通りに展示された赤いバラのインスタレーション/Huang Jinkun/VCG/Getty Images
ある専門家は、かつて七夕に大金を使っていた若者たちが今では仕事を見つけるのに苦労していると話す。消費者は非常に保守的になっており、この否定的な感情は一つの祝祭のみではなく全体的な行動様式に影響しているという。
また別の専門家は、中国の消費者の信頼感は「過去最低水準付近で推移している」と指摘する。
化粧品大手ロレアルから自動車メーカーのフォルクスワーゲンまで、多くの外資系多国籍企業もここ数週間、中国で消費者信頼感が低迷し続ける中、需要低迷について警鐘を鳴らしている。