機長仮眠中に副操縦士が居眠り、航路外れる インドネシア国内便
(CNN) インドネシアの航空会社、バティックエアの国内線で最近、機長と副操縦士が同時に眠りに落ち、この便が飛行ルートを外れるという事態が起きた。民間航空当局が調査に乗り出している。
同国の国家運輸安全委員会(KNKT)が9日、暫定報告として発表したところによると、1月25日に南東スラウェシ州の州都ケンダリから首都ジャカルタへ向かった便の中で、機長の仮眠中に副操縦士が居眠りしていたことが分かった。
同便は一時的に本来のルートから外れて飛行したが、乗客153人、客室乗務員4人らは無事で、機体の損傷もなかった。
副操縦士は当日の出発前、機長に「休養が取れていない」と話していた。その前のフライトで約30分の仮眠を取っていたという。
ケンダリを出発した後、巡航高度に達したところで機長が仮眠したいと申し出て、副操縦士と交代した。だが離陸後約90分で、副操縦士も「うっかり」居眠りを始めたという。
ジャカルタの管制センターが、最新の交信から12分後に操縦室に呼び掛けた時に返事がなかった。同28分後に機長が目覚め、ルートに沿っていないことに気付いた。この時点で副操縦士を起こし、管制センターに応答した。機長は当時、無線通信に不具合が起きたと説明した。
報告によると、機長は32歳、副操縦士は28歳で、いずれもインドネシア人の男性。副操縦士には生後1カ月の双子がいて、夜中に妻を手伝うため、何度も起きていたという。
国営アンタラ通信によると、民間航空当局の責任者はバティックエアやほかの航空会社の疲労リスク管理をめぐり、夜間の飛行態勢を見直す方針を示した。