領土放棄で加盟の可能性とNATO高官、ウクライナ反発
(CNN) 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長の側近が、ウクライナがロシアに占領された領土を諦めれば和平達成やNATO加盟への道が開かれる可能性があると発言し、ウクライナの反発を買う事態となっている。
側近のスティアン・イェンセン氏はノルウェー紙との会見でこの見解を表明。同氏は2017年以降、NATOで現在の職務を務めている。
今回の発言に対しウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は「領土とNATOの傘の下の取引? ばかげている」と一蹴(いっしゅう)。
「意味するところは、意図的な民主主義の破壊を選び、国際的な犯罪者を励まし、ロシアの体制を守り、国際法を踏みにじって戦争を次世代に引き継がせることだ」とSNS上で反論した。
ウクライナ外務省のニコレンコ報道官もイェンセン氏の見解を批判。「自国の領土の一部と引き換えにしたNATO加入に関する議論は絶対的に容認出来ない」と強調した。
「ウクライナが潜在的に領土を割譲するような物語を作る上でNATO関係者が意識的あるいは無意識にでも関与することはロシアの思うつぼになるだけ」だとも主張した。