ウクライナの対ロシア戦争を変えた三つの兵器

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ウクライナの軍事パレードに登場した無人機「バイラクタルTB2」(2021年撮影)/Efrem Lukatsky/AP/FILE

ウクライナの軍事パレードに登場した無人機「バイラクタルTB2」(2021年撮影)/Efrem Lukatsky/AP/FILE

バイラクタルTB2ドローン

トルコが設計したバイラクタルTB2はウクライナ戦争で使用されたことにより、世界で最も知名度の高い無人航空機(UAV)の一つになった。

バイラクタルTB2は比較的安価で、既成の部品からつくることができる。高い殺傷力を有し、攻撃の様子を動画に記録する。

こうした動画には、バイラクタルTB2がミサイルやレーザー誘導ロケット弾、スマート爆弾でロシアの装甲車や大砲、補給線を破壊する様子が映っている。

「広く拡散しているTB2の動画は、TikTokの時代における現代戦の完璧な例だ」。米外交政策研究所のアーロン・スタイン氏は、大西洋評議会のウェブサイトでこう指摘した。

バイラクタルTB2は「魔法の兵器」ではないが、「性能は十分」(スタイン氏)だという。

スタイン氏はバイラクタルTB2の弱点として、スピード不足と防空システムへの脆弱(ぜいじゃく)性を挙げる。戦場の統計もそれを裏付けているように見える。オープンソースの情報サイト「Oryx」によると、ウクライナが受け取った40~50機のTB2のうち、17機は戦闘中に破壊された。

ただ、スタイン氏によると、こうした機体損失を補って余りあるのが、低コストゆえに比較的簡単に補充可能という点だ。

実際、ウクライナでは開戦前からバイラクタルTB2の製造ラインを設ける計画が進行していた。このドローンを使用することで、任務遂行に当たるウクライナ人パイロットの命が救われた可能性がある。

ウクライナからの最近の報告を見ると、ロシア軍が対応方法を編み出したため、以前に比べTB2の重要性が薄れている可能性もある。ただ、TB2支持派は、ウクライナが窮地に追い込まれていた際にTB2が活躍した点を指摘する。

米海軍分析センターでロシア研究を手掛けるサム・ベンデット氏は戦争初期の時点でCNNに対し、ロシアを攻撃するバイラクタルの動画が「大きな士気向上要因になった」と述べ、「広報上の勝利」との見方を示していた。

TB2をテーマにした音楽動画まで作成された。ウクライナ国民の間で、TB2がそれだけの地位を獲得したということだ。

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