EU、特別法廷の設置を提案 ウクライナでのロシアの戦争犯罪を調査
(CNN) 欧州連合(EU)行政トップのフォンデアライエン欧州委員長は11月30日、ウクライナでのロシアの犯罪を調査・起訴する特別法廷の設置を目指すと明らかにした。
フォンデアライエン氏は「主権国家への侵略の罪を含め、ロシアは恐ろしい犯罪の代償を払わなければならない。だからこそ、我々は国際刑事裁判所(ICC)を支持し続ける一方で、国連の支援を受けた、ロシアの侵略の罪を調査・起訴する特別法廷の設置を提案する」と説明した。
「特別法廷の設置に向けて可能な限り広範な国際支援を得るために、国際社会との協力を開始する用意がある」とも述べた。
さらに「ロシアは自らが起こした惨状に対して金銭的な代償も払わなければならない。我々はロシアに支払わせる手段を持っている」と語った。
同氏によると、ウクライナが被った損害は6000億ユーロ(約86兆円)と推定される。「ロシアと新興財閥(オリガルヒ)はウクライナの損害を補償し、国再建の費用を負担しなければならない」と述べた。
EUはロシア中央銀行の3000億ユーロの外貨準備を封鎖し、オリガルヒの190億ユーロの資金を凍結している。「短期的にはこれらの資金を管理し、投資するための組織をパートナーとともに作ることができる。その資金をウクライナのために使う。制裁が解除されたら、ロシアがウクライナに与えた損害の補償全額を支払うよう、これらの資金を使うべきだ」との考えを示した。
「これを可能にするためにパートナーと国際協定に取り組むつもりだ。共に合法的な方法を見つけることができる」と述べた。
「ロシアの恐ろしい犯罪が罰せられないということはない」とフォンデアライエン氏は強調した。