若き活動家狙うロシアの治安機関、脅して情報提供者に

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亡命申請中のオランダ・アムステルダムで取材に答える/CNN

亡命申請中のオランダ・アムステルダムで取材に答える/CNN

学生からスパイへ

ソコロフさんはCNNの取材に答え、「普通の19歳の学生」だった2016年、初めて政治的な活動に関わったと語った。参加したロシア共産党は事実上、クレムリンの公認を受けた現代ロシアの野党勢力で、公共交通機関の運賃値上げといった問題に対するキャンペーンを展開している。

しかし一方でソコロフさんは、独自に反汚職の調査を地方当局者に対して開始していた。そうした活動は当局者の注意を引いた可能性があった。

さらに活動に従事する傍ら、徴兵義務を逃れたことでFSBから目をつけられたとソコロフさんは話す。

「入隊に携わる機関のトップに呼ばれてオフィスに行くと、そこにFSBの当局者がいて、自分の行動を一定期間追跡していたと告げられた。それから、FSBに協力するか2年間刑務所に入るか、どちらかを選ぶように言われた」

刑務所での虐待を恐れたというソコロフさんには、FSBとの取り引きをのむしか選択肢はなかった。

ナバリヌイ氏の資金を監視

17年、ソコロフさんはナバリヌイ氏の率いる反汚職運動でボランティアとして働き始めた。21年までに組織のスタッフとなり、重要な情報をFSBと共有した。

時にはFSBと自身の関心とが一致することもあった。

「地域レベルで彼らが関心を寄せるのは、汚職をはたらく当局者だ」「全国レベルでは、誰がナバリヌイ氏に資金を融通しているのかに関心が向く。彼らの考えでは、それはCIAだということになっている」。ソコロフさんによると、自身がナバリヌイ氏の運動に従事している間、CIAが資金を提供している証拠は確認していないという。ナバリヌイ氏本人もまた、いかなる米情報機関とのつながりも一貫して否定している。

クレムリンが国内の反体制派の弾圧に踏み切った時、ソコロフさんはFSBの担当者によって、旧ソ連を構成する共和国だったジョージア(グルジア)に送られた。現地で拡大するロシア人のコミュニティーに潜入するためだ。これらのロシア人は迫害を逃れ、ジョージアに脱出していた。ソコロフさんによると、ここでもFSBはCIAがロシア人を引き込もうとしているのではないかと極度に懸念している様子だった。ただロシア国内と同様、実際にそうした事態が起きている証拠は確認できなかったという。

ソコロフさん自身はFSBの活動が正しいと思ったことは一度もなく、彼らのために働くことは「大変な負担」だった。それでもFSBからの任務を引き受けた期間は5年以上に及んだ。

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