イスラエル首相、核保有ほのめかす異例の発言
エルサレム(CNN) イスラエルのヤイル・ラピド首相は1日の演説で、同国の核兵器保有について遠回しに言及する異例の発言を行った。
ラピド首相はこの日、原子力委員会のトップ交代の式典で演説し、イスラエルの防衛・攻撃能力と並ぶ「他の能力」に言及した。これは核保有をほのめかした発言と受け止められている。
「我々の上空にある見えないドームの作戦領域は、防衛能力と攻撃能力、および外国メディアが『他の能力』と称するものの上に築かれている。こうした他の能力は我々を生かし続け、今後も我々や子どもたちがここにいる限り、我々を生かし続ける」。ラピド首相はそう語った。
イスラエルは1960年代に技術を開発し、核兵器数百発を保有しているといわれる。ただし正式に核保有を宣言したことはなく、イスラエル指導部が遠回しな表現やあいまいな表現で言及するにとどめてきた。
60年代に当時の国防次官は初めてそうした形で核兵器に言及。最近ではエフード・オルメルト元首相がドイツのテレビ番組で米国、ロシア、フランスと並ぶ核保有国にイスラエルを挙げ、後にその発言の撤回を試みた。
ベンヤミン・ネタニヤフ元首相も閣議でイスラエルを「核強国」と表現し、自ら「エネルギー強国」と訂正したことがある。