「マリウポリは地獄」、生存者とドローン映像が明らかにする破壊の規模

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ドローンの映像には建物付近で軍用車が銃弾する様子が映っている/Azov Mariupol/Reuters

ドローンの映像には建物付近で軍用車が銃弾する様子が映っている/Azov Mariupol/Reuters

リディアさん(34)は安全上の理由から姓を明かさなかった。ロシアの爆撃が自宅近くに迫ってきたのを受け、マリウポリを離れる決断を下したと話す。

「砲撃のさなかに街を脱出した。マリウポリに静寂が訪れることはない」とリディアさん。「きょう近所の人たちと話したが、今は状況がさらに悪化していると言っていた。だからきょうマリウポリを脱出できる人がいるかは分からない」と話す。

脱出時には航空機がすぐ頭上を低空飛行していたので、何度も立ち止まって子どもたちを隠さなければならなかった。「攻撃を受けるのではないかと心配だったが、これ以上市内にとどまることは不可能だった。今のマリウポリはまさに地獄だ」(リディアさん)

やはり安全上の理由から姓を明かさなかったスビトラナさん(57)は脱出前、自宅を破壊された17人を家に迎え入れ、雨水を使って庭でスープをつくっていた。

「戦争が始まった当初は離れたくなかった。だが、四六時中頭上を砲弾が飛び交うようになり、あそこに残ることに耐えられなくなった」とスビトラナさん。マリウポリに残った息子のことが心配だが、「彼は残る決断を下した。避難するよう説得できなかった」という。

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