パキスタン首相、中国の新疆弾圧に対する非難を拒否

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中国政府による新彊での弾圧を非難しない姿勢を示したパキスタンのカーン首相/HBO

中国政府による新彊での弾圧を非難しない姿勢を示したパキスタンのカーン首相/HBO

(CNN) パキスタンのカーン首相は22日までに、中国政府が行っているとされる西部新疆ウイグル自治区での少数民族ウイグル族に対する人権弾圧を非難しない考えを明らかにした。

ニュースサイトのアクシオスとのインタビューで20日に述べた。

インタビューの中で大規模なウイグル族の強制収容と虐待について問われたカーン氏は、中国について「我々の最も素晴らしい友人の一人。我々にとって最も困難な時期にそうあり続けている」と指摘。新疆の問題をめぐっては、中国政府とのいかなる協議も「非公開で行われるだろう」との見解を示した。

米国務省によると近年、ウイグル族や他のイスラム教徒の少数民族最大200万人が新彊全域にある大規模な収容施設に入れられているとみられる。多くの元収容者は収容所内で洗脳や身体的虐待、強制不妊などを受けたと証言する。

米国をはじめ複数の西欧諸国の議会は、中国による新彊でのこうした行為をジェノサイド(集団殺害)と認定した

しかしカーン氏は、中国政府がパキスタン政府との非公開の協議で新彊での大規模な弾圧を否定していたと説明。「我々は彼らのやり方を尊重する。(中略)どうしてこれが西洋世界でここまで大きな問題になっているのか? なぜカシミール地方の人々は無視されているのか? そちらの方がはるかに意味がある」と述べた。

イスラム教徒が多数を占めるカシミール地方はパキスタンとインドが領有権を争っており、しばしば暴力的な衝突が発生している。

カーン氏はまた「世界を見渡せば、パレスチナ、リビア、ソマリア、シリア、アフガニスタンでも問題が起きている。すべてについて発言しなくてはならないのか?」と付け加えた。

パキスタンは中国の長年の友好国・貿易相手国で、インフラ投資でも大きな恩恵を受けている。これらの投資は習近平(シーチンピン)国家主席が掲げる経済圏構想「一帯一路」の一環だ。

カーン氏は2019年3月にも、英紙フィナンシャルタイムズの取材に対し、新疆ウイグル自治区での大規模な強制収容に関する報道について「よく知らない」と答えていた。中国の最西端に位置する新疆ウイグル自治区はパキスタンとも国境を接している。

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