「死ぬと思った」ミャンマー軍が市民に拷問、拘束者や離脱兵が証言

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19歳の少年は、軍の収容所で拘束されている間繰り返し殴られた/Obtained by CNN

19歳の少年は、軍の収容所で拘束されている間繰り返し殴られた/Obtained by CNN

「司令官は私の両手を後ろから縛り、小さなはさみを使って私の両耳と鼻の先、首、のどを切りつけた。ガラス瓶で私の頭を殴って暴行し、銃を私に突き付けたが、銃弾は出なかった。その銃を使って、施設に着くとすぐに私を脅した。その晩は仲間の兵士たちに私を殴らせた」。少年はそう証言する。

「彼らは私たちを強制的にひざまずかせ、背中を真っすぐにさせて、殴ったり蹴ったりした。床に倒れるとケーブルワイヤーで殴った。あまりに苦痛だった。拷問するなら殺してくれと頼んだほどの痛みだった」

あれから3週間たった今も、少年は身を隠し続けている。傷は癒えつつあるものの、今も歩行が難しく、ボタンをうまくとめることができないという。

背中にはケーブルで殴られた傷痕が残る/Obtained by CNN
背中にはケーブルで殴られた傷痕が残る/Obtained by CNN

暴行されている間も、生き続けることだけを考えた。「死ぬかもしれないと思いながらも、強いままでいなければと思った。与えられたものは食べられなかったけれど、生き続けるために無理やり食べた。自分たちは解放されなければならない、そして解放されたらまた(抗議運動に)参加できる」

AAPPの記録によれば、軍が実権を握って以来、大勢の子どもや若者を含めて750人以上が治安部隊によって殺害された。負傷したデモ参加者が軍に拘束され、治療も受けられないまま命を落とすケースも増えている。拘束されて死亡した国民民主連盟(NLD)議員らの遺体には、拷問された痕跡が残っていた。

軍は声を上げようとする市民への警告として、そうした行為を公にしている。

現地時間の毎晩8時になると、ニュース番組の司会者が指名手配者の一覧を軍事政権の統制するテレビ局を通じて発表する。指名手配者には俳優、ミュージシャン、ジャーナリスト、抗議ストに参加した医師などが含まれ、それぞれの写真やSNSの経歴が全土に中継される。

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