「死ぬと思った」ミャンマー軍が市民に拷問、拘束者や離脱兵が証言

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ダンス講師のキン・ニエン・トゥさん。現在尋問所に収容されていると思われる/Obtained by CNN

ダンス講師のキン・ニエン・トゥさん。現在尋問所に収容されていると思われる/Obtained by CNN

今月18日には、自家製爆弾を所持していたとして逮捕された男性4人と女性2人の写真を軍が放送した。その前日の17日、ヤンゴン郊外では相次ぐ爆発が起きていた。6人の顔面には激しい暴行を受けた痕があった。

そのうちの1人、ダンス講師のキン・ニエン・トゥさん(31)は、母親によるとほとんど見分けがつかない状態だった。顔面は腫れ上がって血まみれになっていた。キン・ニエン・トゥさんは夜間の急襲で連行されたという。今は尋問所に収容されていると思われ、母親は娘の身の安全に不安を募らせている。

キン・ニエン・トゥさんが警察署に連行された時、母親は娘の姿を垣間見ることができた。「娘は見るからに苦しそうで、足取りもおぼつかず、私が名前を呼ぶと振り向いて私を見た。娘の顔はひどく腫れ上がっていた」

「解放された人から娘が顔面を殴られていたと聞いて、娘の顔や唇が裂け、両目にあざができて、歯が欠けていた理由が分かった」

キン・ニエン・トゥさんはまだ訴追されることも、刑務所に移送されることもなく、別の尋問所に移されたらしいと母親は言い、娘が連行された夜のことを「一晩中眠れず、恐怖で胸が詰まる思いだった」と振り返った。「娘に会いたい。できるだけ早く治療を受けさせたい」

軍の下士官の中には、市民に対する暴力を命じられたことに嫌悪を覚える兵士もいる。

隣国インドに逃れた元士官候補生の男性(23)は、夜間の急襲を経験して戦慄を覚え、軍を離れたと語った。CNNはこの男性の安全のため、名前を出さないことを約束した。

軍の訓練を卒業したばかりの3月、男性はヤンゴンのミンガラドン地区に配属され、夜間の急襲に加わってデモ参加者やクーデター反対派を逮捕するよう命じられた。

「逮捕したい相手がその家から逃げようとしたら撃てと命じられていた」「ある時は、リーダー2人を逮捕しに行き、1人は逮捕したがもう1人は逃げようとしたので即座に銃撃した」。男性によると、撃たれた人物はなんとか脱出したが、家の中にいた娘が代わりに逮捕されたという。

「指揮官に撃てと命じられれば、我々はすぐに撃たなくてはならない」と男性は言う。

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