英政府、コロナと闘う医療従事者に昇給「1%」案 批判招く
(CNN) 英国政府が新型コロナウイルスと闘う最前線にいる同国の国営医療「国民保健サービス」(NHS)の職員に「1%」の賃上げ案を示し、「ふびん過ぎる」対応との批判を招く事態となっている。
英政府は昨年の新型コロナ感染拡大の初期の時期に「在宅を。NHSを守ろう。命を救おう」とのスローガンを打ち出してもいた。
今回の給与増額案は、保健・社会福祉省が4日、NHS職員の報酬額を検討する組織に提示。これに対し英国の看護業界などの組合(RCN)幹部が「不十分過ぎてひどく失望している」と反発してもいた。
声明で経験豊富な看護師にとっては1週間当たり3.50ポンド(約525円)の積み増しに過ぎないとし、コロナ禍にあって公平な対応とは誰も考えないだろうし、看護師の大量離職を防ぐ手立てにはならないと反論。12.5%の増額を求めた。
野党・労働党のスターマー党首も1%昇給を「侮辱的」な提示とし、職員を激励するために十分ではないと主張。BBCとの会見で、ジョンソン首相は新型コロナ対策のワクチン接種計画の成果を誇示したがる半面、接種作業に実際に携わる人々の報酬を削減していると非難した。
NHS職員はコロナ禍に直面するなかで国家の機能維持に努めており、この時期に給料額の凍結を図るのは間違っているとも糾弾した。