氷河決壊による洪水で7人死亡、100人以上不明 インド北部
(CNN) インド北部ウッタラカンド州で7日、氷河の決壊による洪水が起き、少なくとも7人が死亡、100人以上が行方不明になっている。
同州のラワト州首相は同日夜の記者会見で、国営水力発電施設のトンネル内に一部の作業員が閉じ込められた可能性があるとの見方を示した。
軍要員と災害対策当局のチームが救援作業にあたっている。ニューデリーから空路現場へ派遣された当局の援軍チームも、8日に到着する見通しだ。
住民らの話によると、ニューデリーの北方約500キロの渓谷に突然、土砂と岩、水が猛烈な速さでなだれ込んだ。
ラワト氏によると、州北部の発電施設が損壊し、作業員35人のうち29~30人ほどの行方が分からなくなっている。
そこから約5キロ離れた水力発電施設には2つのトンネルがあり、約176人が作業中だった。一方のトンネルでは15人前後が携帯端末で情報を得て脱出し、35~50人が救出された。もう一方のトンネルには30人以上が閉じ込められている恐れがある。

州北部のダムが損壊した様子/STRINGER/Reuters

少なくとも600人の軍要員と国境警備隊員が救出作業を支援した/STRINGER/Reuters
現場へ向かう道路はがれきに覆われ、救助隊の通行が困難な状態だという。
ラワト氏は遺族らに40万ルピー(約58万円)の補償金を支払うと発表した。モディ首相もツイッターを通し、被災地への支援を表明した。
ウッタラカンド州ではこれまでも洪水や土砂崩れが繰り返されてきた。2013年の豪雨では「ヒマラヤの津波」と呼ばれる水害で6000人近い死者が出た。