カテゴリー5のハリケーンが中米に接近 まだ復興途上、壊滅的な被害の恐れも
(CNN) 猛烈な勢力をもつカテゴリー5のハリケーン「イオタ」が観測史上初めてカリブ海にあるコロンビア領のサンアンドレス島とプロビデンシア島に接近し、インフラが破壊されるなどの被害が出ている。
急速に勢力を強めて最も強いカテゴリー5に発達したイオタは、現地時間の16日夜、中米ニカラグア北東部に上陸する見通し。
サンアンドレス島とプロビデンシア島はコロンビアの領土だが、地理的にはコロンビア本土よりも中米に近い。米国立ハリケーンセンターによると、プロビデンシア島にはハリケーン警報が出され、サンアンドレス島にはハリケーン注意報が出された。
中米諸国に対しては、ハリケーン接近に伴う壊滅的な暴風や生命を脅かすような高潮、猛烈な豪雨に警戒するよう呼びかけている。
ハリケーン上陸に備えて避難する現地の人々=16日、ニカラグア/Maynor Valenzuela/Getty Images
コロンビアのドゥケ大統領は16日、プロビデンシア島で1人が死亡し、同島のインフラの90%でイオタの被害が出ていると語った。現地の空港もがれきのために使えない状態にあるという。
首都ボゴタで記者会見したドゥケ大統領は「観測史上初めて、カテゴリー5のハリケーンが我々の領土に到達した」「我々は、かつて遭遇したことのない性質の問題に直面している」と語った。
ニカラグアからホンジュラスにかけての沿岸部にもハリケーン警報が出され、ホンジュラス、ニカラグア、グアテマラ、ベリーズでは所によって豪雨が予想される。コスタリカやパナマでも大雨が降る見通し。生命を脅かすような鉄砲水や河川の氾濫(はんらん)、土砂崩れが発生する恐れもある。
中米は11月3日に上陸したカテゴリー4のハリケーン「エータ」でも、土砂崩れや洪水が発生して数千人が避難、大勢の死者や行方不明者が出ていた。現地はまだ復興の途上にある。