タイ国王、「高貴な配偶者」の復帰認める 「汚点」なく称号再授与
タイ・バンコク(CNN) タイ王室は4日までに、王妃とは別の35歳の女性に対し、剥奪(はくだつ)していた国王の配偶者などの称号や軍の階級、勲章を再び授与したと発表した。タイでは政府や王室の改革を求める前例のない抗議行動が起きている。
ワチラロンコン国王は昨年7月28日、陸軍看護師だったシニーナート・ウォンバジラパクディさんに、高貴な配偶者の称号を与えていた。しかしシニーナートさんは、王妃と同等になりたいという「野心」を抱いたという理由で全ての称号や地位を剥奪されていた。
王室は公式発表の中で、シニーナートさんに「汚点がない」ことが分かったと説明。過去に受けた非難について潔白だったことを示唆した。
称号や階級が再び授与された背景についての詳細は不明。これらが剥奪されている数カ月間、シニーナートさんがどこで過ごしていたのかも分かっていない。タイには王室への不敬を厳しく取り締まる法律があるため、CNNの報道でも王室の意向に関わる内容には制限が加わる。
ただタイ国民は、シニーナートさんの称号の回復についてソーシャルメディア上で盛んに議論しており、3日午前には「汚点がない」の文言がツイッターのトレンドでトップに立った。
タイの国営放送PBSによると、シニーナートさんは国王の警護部隊に所属していた元陸軍看護師で、少将の階級を与えられていた。陸軍時代は密林での戦闘やパイロットとしての訓練も受けていたという。
当時、高貴な配偶者の称号が女性に与えられるのはおよそ100年振りのことだった。