伊藤詩織氏が民事で勝訴、元記者に賠償命令

ジャーナリストの伊藤詩織氏(30)が強姦被害を訴え損害賠償を求めていた裁判で、元TBS記者の山口敬之氏(53)に勝訴した/CNN

ジャーナリストの伊藤詩織氏(30)が強姦被害を訴え損害賠償を求めていた裁判で、元TBS記者の山口敬之氏(53)に勝訴した/CNN

東京(CNN Business) 東京地裁は18日、ジャーナリストの伊藤詩織氏(30)が元TBS記者の山口敬之氏(53)に強姦されたとして損害賠償を求めて起こした民事訴訟で、山口氏に対して330万円の支払いを命じた。

伊藤氏は肉体的、精神的に苦痛を受けたとして1100万円の損害賠償を求めていた。

伊藤氏によれば、2015年、山口氏は伊藤氏を夕食に誘い、その後、伊藤氏を強姦した。伊藤氏は2人で訪れた東京のすし店でトイレに行った後記憶がなく、強姦されている状況で意識が戻ったという。

山口氏はこうした訴えを否定しているほか、名誉棄損やプライバシーの侵害を理由に伊藤氏に対して1億3000万円の損害賠償を求め反訴していた。東京地裁は同日、山口氏の訴えを退けた。

裁判長は、性行為は伊藤氏の意思に反して行われたほか、伊藤氏が虚偽の申し立てを行う動機がないと述べた。一方、山口氏の説明については、信用性に重大な疑念があるなどと指摘した。

伊藤氏は今回の件を公の場で訴えたことで、日本の「MeToo運動」のシンボルともなった。ただ、社会からの反応は冷たく、ソーシャルメディアで脅迫や反感の投稿を受け、自分や家族の身の安全に不安を感じたと語る。昨年は日本を離れるとまで発言していた。

伊藤氏は刑事事件として警察に訴えたが、山口氏は逮捕されず、嫌疑不十分で不起訴となっている。捜査では男性捜査官の前で人形を用いた現場の再現を求められ、恥ずかしい思いもしたという。

山口氏は判決後の記者会見で、法に触れる行為はしていないと述べ、控訴する考えを明らかにした。

日本は統計的に性被害報告の割合が他国に比べて少ない。2017年度に内閣府が実施した「男女間における暴力に関する調査」によれば、女性のうち強姦被害を経験した人は7.8%(約13人に1人)だった。米国では5人に1人が被害にあっている。

ただし、日本人女性は被害に遭っても警察に相談する人の割合が3.7%と低い。性被害は恥だと感じる女性が多く、沈黙の文化の中で黙っていることがよいとされてきた。

だが、性犯罪関連の裁判で無罪判決が続くなどして、日本でも性被害関連の法令改正などの対策を求める声は高まっている。17年には強姦罪の法定刑の下限が5年に引き上げられた。また、政府は各都道府県に性被害を相談できるワンストップ支援センターを開き、被害相談や啓発を進めているという。

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