1日200人が毒ヘビに噛まれて死亡、「隠れた健康危機」にWHOが対策

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毎日200人以上が毒ヘビに噛まれて死亡しているという/WHO

毎日200人以上が毒ヘビに噛まれて死亡しているという/WHO

(CNN) 世界で毒ヘビに噛まれて死亡する人が1日当たり200人超に上っている。世界保健機関(WHO)は23日、ヘビに噛まれる被害を世界最大の隠れた健康危機と位置付け、この問題に対応するための戦略を打ち出した。

ヘビに噛まれて命を落とす人は、年間で8万1000~13万8000人、障害が残る人は40万人に上る。

たとえ噛まれたとしても、適切な抗毒素を投与すれば生存の確率は高い。しかし抗毒素は世界的に不足しており、特にアフリカのサハラ砂漠以南の国やアジア地域では、対応できる医療機関も少ない。

WHOでは市民の啓発や効果的な治療法の開発などを目的として1億3600万ドルを投じることにより、2030年までにヘビに噛まれたことによる死者や障害者を半分に減らしたい意向だ。

専門家によると、抗毒素の安全性を高め、値段を引き下げて、効果を高めるためには新しいアプローチが必要とされる。

現在の製法は19世紀以来、ほとんど変わっていない。しかも比較的高い確率で副作用が起こり、他の医薬品のような臨床実験も十分に行われていない。医薬品メーカーにとっての採算性も低く、サノフィパスツールは2010年、アフリカのヘビ数種に対する抗毒素の製造を中止した。

抗毒素の供給は、世界で必要とされる量の半分に満たない。特定の地域のヘビの毒にしか効果がない抗毒素もあり、世界に生息する毒ヘビのうち、抗毒素が開発されているのは約60%にすぎない。たとえ入手できたとしても、値段の高さが被害者を窮状に追い込んでいるのが現状だ。

WHOは医療制度の充実や、予防、啓発に力を入れる方針で、それぞれの地域の人が毒ヘビを見分け、例えば靴を履くといった単純な行動によって被害を防止できるようになることを目指す。

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