英チャールズ皇太子夫妻、キューバを公式訪問 英王室で初
(CNN) 英国のチャールズ皇太子とカミラ夫人が24日からキューバ訪問を開始する。英王室一家のキューバ公式訪問は初めて。
英王室一家のキューバ訪問は数年前までは考えられなかったが、2016年に米国のオバマ前大統領とキューバのラウル・カストロ前国家評議会議長が、半世紀ぶりに両国の国交を正常化させた。
だがその後、世界を取り巻く状況は大きく変化した。米国のトランプ大統領は、オバマ前大統領の対キューバ政策の多くを覆し、渡航制限や貿易制限を復活させた。
米国や同盟国は、南米ベネズエラのマドゥロ大統領と、キューバの軍や情報機関との関係について懸念を強めている。
こうした状況の中、英政府の判断で、チャールズ皇太子夫妻のキューバ訪問が決まった。夫妻は首都ハバナで開かれる晩餐(ばんさん)会などに出席する。
英国はこれまでにも王室一家の「ソフトパワー」を外交のために活用してきた。英外務連邦省は今回の訪問についても、「我々を分断させる人権などの問題を巡り、キューバとのかかわりや率直な対話を目指す長年のアプローチの一環であるとともに、われわれの架け橋となる問題の進展に向けた交流」と位置付ける。
米国の議員からは、チャールズ皇太子は反体制派とも会談すべきだといった声が出ているが、今回の訪問ではそうした会談は予定されていない。一方で、第1書記の座にとどまり続けているラウル・カストロ氏と会う予定もない。
皇太子夫妻が面会予定のディアスカネル国家評議会議長は、トランプ大統領のキューバに対する発言について、「挑発的で汚い」と形容していた。