有毒物質含む密造酒飲み80人死亡、警察が摘発へ 印
ニューデリー(CNN) インド北部で有毒物質を含む密造酒を飲んで80人が死亡した事件を受け、警察が作り手の摘発に動いている。多くの貧困層を抱えるインドでは、安価な模造酒や密造酒を飲むことで多数の死者が出るケースが相次いでいる。
隣接する北部の2州で発生した今回の死亡事件について、警察は同じ種類の密造酒を飲んだことが原因とみている。当該の酒は、これらの2州にまたがって活動する犯罪組織が製造したと考えられる。
当局によると、死者の内訳はウッタルプラデシュ州とウッタラカンド州でそれぞれ44人、36人。ウッタラカンド州警察の幹部は12日の記者会見で、密造酒を販売した疑いで2人を拘束したと発表。密造酒の製造に使用された化学物質の特定も進めていると述べた。
警察の広報担当者は、これまで上記の2人を含む8人を逮捕したと明らかにした。また2州の警察が合同で捜査し、約400リットルの密造酒を押収したとしている。犯人らは密造を生業(なりわい)としており、森の中にある3~4カ所の村で酒を製造していたとみられる。
安価な密造酒の多くは、毒性のあるメタノールを原料に含む。都市部に出回るこれらの酒は、正規品の3分の1程度の値段で売られている。
2015年にはムンバイのスラムで密造酒を飲んだ100人以上が死亡。11年には西ベンガル州で、密造酒の摂取により160人を超える死者が出ている。