「首都」認定、パレスチナで衝突続く 4人死亡、367人負傷
エルサレム(CNN) トランプ米大統領が先週エルサレムをイスラエルの首都と認定したことをめぐり、パレスチナのヨルダン川西岸やガザ地区で15日、これに抗議するデモ隊とイスラエル治安部隊が衝突し、保健当局によると、パレスチナ人4人が死亡、少なくとも367人が負傷した。
イスラエル軍は、パレスチナ人約2500人がヨルダン川西岸の各都市で火の付いたタイヤを転がしたり、火炎瓶や石を警察に投げつけたりしたと発表。またガザ地区では、3500人が治安フェンス沿いでイスラエル軍兵士と衝突したとしている。
エルサレム旧市街にあるイスラム教の聖地「アルアクサ・モスク」には数万人が金曜礼拝に訪れ、礼拝が終わった後も数百人が抗議のため現地に残った。この中にはトルコやマレーシアなど、トランプ氏の発表にとりわけ批判的な国々の国旗を振る人の姿も見られた。
パレスチナ保健当局は死者の身元を特定。1人はガザ地区の対イスラエル境界沿いでイスラエル軍と衝突した際に射殺、もう1人はガザ市東郊で射殺された。またヨルダン川西岸でも、ラマラ近郊などで2人が死亡したという。
イスラエル警察はラマラ近郊で死亡した男性について、境界に配置されていた警官をデモ中に刃物で襲撃したところを射殺したと説明。自爆ベルトとみられるものを着用していたとも明らかにした。
パレスチナ保健当局によると、負傷者少なくとも367人はヨルダン川西岸やガザ地区の病院に搬送された。うち7人が重体だという。
イスラエル軍はデモ隊を解散させるため催涙ガスやゴム弾を使用。また軍の声明では、一部地域での「激しい暴動」の際に実弾を使ったとしている。
トランプ氏が先週エルサレムをイスラエルの首都と認定し、テルアビブにある米大使館をエルサレムに移転させると言明したことをめぐっては、国際的に批判の声が上がり、世界各地で抗議デモが起こっていた。