カトリック教会幹部が異例の法王批判、要職解かれた問題で
ローマ(CNN) ローマ・カトリック教会のゲルハルト・ミュラー枢機卿(69)は13日までに、フランシスコ法王からバチカン教理省の長官の職を解かれた問題について「高位聖職者として、人々をこのように扱うべきではない」と法王を批判した。
ドイツの新聞のインタビューに答えたもの。教理省は教義の問題を統括するとともに教会が関わった性的暴力問題への対応を担当する組織で、ミュラー枢機卿は前法王のベネディクト16世の指名を受けて長官を務めていた。
ミュラー枢機卿は、教理省長官の任期が切れるたった2日前の6月30日にフランシスコ法王から、任期の延長はしないと告げられたという。
法王とは短い時間、話をしたが「理由は聞かされなかった」とミュラー枢機卿は述べた。「同様に、数カ月前に教理省の非常に有能なメンバー3人が職を解かれた時も、法王は理由を言わなかった」
「前にも述べたが、教会の社会的な教えはバチカンで働く者の扱いにも適用されるべきだ」とミュラー枢機卿は述べた。
バチカンでは以前から、働く者の権利が必ずしも尊重されていない点が指摘されてきたと、CNNのバチカン問題アナリスト、ジョン・アレン氏は語る。
「今回、目新しいのは批判の出所がバチカン美術館の一般職員ではなく、枢機卿だという点だ」とアレン氏は言う。