中国土砂崩れ、10人死亡 依然93人が不明
(CNN) 中国南西部の四川省で24日に発生した土砂崩れは、夜を徹して捜索活動が行われ、25日までに10人が遺体で発見された。まだ93人が行方不明になっており、現場では捜索救助隊約2500人が出動してがれきをかき分け、行方不明者を捜索する作業を続けている。
土砂崩れは四川省アバ・チベット族チャン族自治州茂県の村で24日午前6時ごろに発生し、住宅数十棟が土砂に埋まった。地元当局によると、当初死亡したと思われていた人のうち、15人は無事が確認されたという。
習近平(シーチンピン)国家主席は、土砂の下敷きになった人たちを救出するために全力を尽くすと表明。行方不明者の家族や被災者には適切な保護を提供すると説明した。
地元当局によると、豪雨の影響と思われる午前6時ごろの土砂崩れに続き、2度目の小規模な土砂崩れが起きて巨大な岩石が村の上に落下した。このため重機を現場に搬入するのが難しくなっているという。
茂県によると、現場からは24日に夫婦と乳児1人が救助され、近くの病院に運ばれた。生後1カ月の子どもを連れて脱出したという男性は、中国中央テレビ(CCTV)の取材に対し、大きな物音が聞こえて突風が吹き付け、濁流が向かってくるのが見えたと証言。「岩石が自宅の居間に転がり込んだ。子どもを抱いたまま、そろそろとはい出して避難した」と話している。近隣の住民に助けてもらいながら救急車にたどり着き、病院に運ばれたという。
国連のグテーレス事務総長は犠牲者に哀悼の意を表する声明を発表し、必要があれば当局を支援する用意があると表明した。