東南アジアに「浸食」するISIS、中東から軸足移すか

2017.06.09 Fri posted at 17:55 JST

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域内に広がる「忠誠」

ISISに忠誠を誓う戦闘員による政府軍への大胆な攻勢は、見る者の多くに衝撃を与えた。同時に、ISISが東南アジアでの影響力拡大に成功しているとの懸念も増している。

フィリピンのカリダ検事総長は記者会見で、「ミンダナオ島で起きているのはもはやフィリピン国民の反乱ではない。外国人テロリストによる侵攻に変質した」と指摘。「彼らはミンダナオ島をカリフ制国家の一部にすることを望んでいる」との見方を示した。

シンガポールに拠点を置く「政治的暴力・テロリズム研究国際センター」(ICPVTR)のグナラトナ所長によれば、東南アジアでは近年ISISの影響が広がっている。同地域の60以上の組織がISISのバグダディ最高指導者に忠誠を誓っているという。

インドネシアやマレーシアではISISとの関連が疑われる事件が発生したほか、両国の組織とフィリピンに拠点を置く組織との関係も強化されている。

フィリピン軍は今年4月、ミンダナオ島の南ラナオ州でISISとのつながりが疑われるマウテグループ戦闘員を攻撃、37人を殺害した。その中にはインドネシア人3人とマレーシア人1人も含まれていた。インドネシアに拠点を置くテロ組織「ジェマ・イスラミア」の構成員とみられている。

だが、ジャカルタに拠点を置く「紛争政策分析研究所」(IPAC)の報告書によれば、捜査やテロ対策の取り組みは依然、おおむね国単位に分かれたままだ。

アナリストらは報告書で、「地理や主権の問題、領有権争い、域内の駆け引きが地域協力を妨げているとみられる」と警告。対策を取らなければ、アフガニスタン・パキスタン国境の部族地域のようになりかねないとの見方を示した。

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