ロシア戦闘機、空母への着艦に失敗し墜落 シリア沖
(CNN) 地中海のシリア沖で、ロシアの空母への着艦を試みていた同国のミグ29戦闘機が海上に墜落したことが15日までに分かった。ロシア国営タス通信が報じた。
タス通信がロシア国防省の話として伝えたところによると、ミグ29の操縦士は空母から数キロの地点で緊急脱出し、無事に救助されたという。
ロシア国営メディアのスプートニク通信は国防省の声明を引用する形で、技術的な問題が事故の原因になったと伝えた。墜落が起きた日時は不明となっている。
ソビエト時代の空母を含むロシアの艦隊は先月に北海を出発。英国沿岸に沿って航行し、12日にシリア沖に到着していた。ロシアはシリアにおける内戦で同国政府の軍事作戦を支援している。
ロシア海軍は出航時に声明を出し、同艦隊の航行について「世界の海洋で重要な位置を占める海域で海軍の存在感を確保するのが目的だ」と言及。海上交通などロシアの海洋経済活動の安全を確保し、海賊や国際テロリズムといった新種の現代型脅威に対応するのが主眼になるとの見通しを示していた。
ただ、軍事情報誌ジェーンズ・ディフェンス・ウイークリーの編集者は先月、CNNに対し、ロシア艦隊のこうした動きは「力の誇示であり能力の誇示だ」と指摘。「攻撃任務という点では、ロシアはシリア国内に既に存在する陸上拠点の航空機でも同じくらい容易に任務を遂行できた可能性がある」と述べていた。