英閣僚、台北市長に「タブー」の時計を贈って謝罪
香港(CNN) 英国のクレイマー運輸担当閣外相が26日、訪問先の台北で柯文哲市長に懐中時計を贈った。現地では時計の贈り物がタブー視されていることから、柯氏が不快感をあらわにし、クレイマー氏は謝罪した。
中国語で時計を意味する「鐘」は、終わりを意味する「終」と同じ発音。時計を人に贈る行為は死を連想させるため、タブーとされている。
クレイマー氏は「まったく知らなかった」と反省の意を示し、「英国では時より貴重な物はないとの考えから、時計は喜ばれる」と説明した。
一方で、時計を受け取った柯氏が記者団の前で「使い道がない」と言い放ったことも、非難の対象となった。同氏は「だれか他の人に渡すか、スクラップ業者に売り飛ばすか」などと話したとされる。
柯氏も27日に謝罪し、「これから外交の作法を習おうと思う」と述べた。
贈り物にまつわる失敗は、米国のオバマ大統領も経験している。大統領が2009年3月、訪米したブラウン英首相にプレゼントしたDVDは、英国では再生できないタイプだった。翌月の訪英ではエリザベス女王に、女王が米国を訪れた際の映像などを入れたiPod(アイポッド)を贈り、さらに批判を浴びた。