キリスト教の神、「アラー」の訳語を禁止 マレーシア最高裁

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マレーシアではイスラム教徒が60%以上を占める

マレーシアではイスラム教徒が60%以上を占める

(CNN) マレーシアのキリスト教徒が神を「アラー」と呼ぶことを禁止するべきかどうかを巡る裁判で、同国の最高裁は23日、禁止を支持する判断を下した。

ただし同国政府は、この判断の対象となるのは論争の発端となったキリスト教会紙だけだと説明。国内のキリスト教徒がこれまで通り神をアラーと呼ぶことは差し支えないとの見解を示した。政府の声明は「マレーシアは多宗教国家であり、信仰の違いに平和的に対応することが重要だ」と強調している。

マレーシアではイスラム教徒が60%以上を占め、キリスト教徒は約9%の少数派。キリスト教会紙「ヘラルド」のマレー語版が神の呼び名として、イスラム教で神を意味するアラーという言葉を使っていることに対し、政府が2007年、「混乱を招く」との理由で改称を求めた。

09年の裁判でアラーという呼び方を認める判決が出ると、同国ではキリスト教会を狙った爆弾事件が続発した。

控訴審では13年、この判決が覆され、キリスト教の神をアラーと呼ぶことは禁止された。

最高裁の判事は4対3で控訴審判決を支持した。裁判所ビルの前ではイスラム教徒の活動家ら数百人が歓声を上げ、「神は偉大だ」と叫んで判決を喜び合った。

これに対してヘラルド側は「正義のために最後まで闘う」と表明。「われわれには少数派の立場を擁護し、宗教の自由を掲げる責任がある」と主張している。

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