警官に強姦された女性に「公然わいせつ」容疑 チュニジア当局に抗議集中

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(CNN) チュニジアの首都チュニスで、警官に強姦されたと訴えた被害者女性が反対に公然わいせつの罪に問われ、国内の人権団体などから激しい抗議の声が上がっている。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの中東・北アフリカ副部長、ハッシバ・ハジ・サハラウイ氏は「被害者が保護されるどころか罪の疑いをかけられたという事実は、同国の法律と刑事司法制度の欠陥を明白に示している。強姦被害者の名誉を傷付けて加害者を守ろうとする、巧妙なたくらみとも考えられる」と述べた。同氏はさらに、性犯罪の被害者が同様の事態を恐れて通報を控えてしまう可能性もあると指摘した。

女性の弁護士がアムネスティに語ったところによると、女性は9月3日、チュニス市内の路上で婚約者と車に乗っていたところを警官グループに襲われた。警官3人のうち2人が車内で女性に性的暴力を加え、残りの1人は婚約者を近くのATM(現金自動出入機)に連れて行って金を脅し取ったという。

女性の訴えを受け、3人の警官には強姦と恐喝の容疑がかけられた。ところが警官らはその後になって、女性と婚約者が当時、車内で「不道徳な体勢」を取っていたと主張。2人は「意図的な公然わいせつ」の罪で起訴された。有罪となれば、最大で禁錮6カ月の刑が言い渡される。女性と婚約者はともに罪状を否定している。

これに対して、国内の人権団体や女性団体が強く反発。公判が開かれる裁判所前での抗議デモを呼び掛けた。2日のデモには数百人が参加した。

同国では2010年末、独裁政権に抗議する若者が焼身自殺を図り、これに端を発したデモが全土に拡大した結果、政権が崩壊した。さらに11年にかけ、中東・北アフリカ諸国に「アラブの春」と呼ばれる民主化運動が広がった。

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