トランプ氏の機密文書扱い巡る裁判、大統領選後までずれ込む可能性

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トランプ前大統領(右)と同氏の機密文書取り扱いを巡る裁判を担当するアイリーン・キャノン判事/AP

トランプ前大統領(右)と同氏の機密文書取り扱いを巡る裁判を担当するアイリーン・キャノン判事/AP

(CNN) 一時は単純明快な訴訟とみられていたトランプ前米大統領に対する機密文書の取り扱いを巡る刑事裁判が、遅々として進まない状況に陥っている。担当判事の注意が、裁判遂行に向けた疑問の解決や二次的な法的論議の方に奪われてしまっているのが原因のようだ。

2020年に当時のトランプ大統領によって任命されたフロリダ州連邦地裁のアイリーン・キャノン判事は、通常では考えられない驚くべきやり方で10カ月近くにわたって訴訟を引き延ばしている。具体的には、専門家が慣習的なものとみなす複数の法的問題への判断を遅らせている。これらの問題を解決して初めて、訴訟は法廷での審理に持ち込むことが可能になる。

キャノン氏がこうした問題の判断に時間をかければかけるほど、裁判が11月の大統領選後に持ち越される公算は大きくなる。

今やキャノン氏に対しては、意図的かどうかはともかく、大統領選後まで裁判を遅らせようというトランプ氏の戦略にはまっているとの批判の声が上がる。トランプ氏はホワイトハウスへの帰還を果たした場合、訴訟自体を取り消すとみられる。

法律の専門家らはかねて、機密文書の保持に絡むトランプ氏の違法行為について検察側が既に有力な証拠を提出したと述べている。トランプ氏とフロリダ州の自宅「マール・ア・ラーゴ」で同氏が雇用していた共同被告の2人は無罪を主張している。

ただ外部から見てどれほど単純な訴訟であろうと、キャノン氏が数多く抱える未処理の法的問題を片付けない限り、検察には判事の前に証拠を提示する機会が与えられない。

キャノン氏はまだ、裁判に重大な影響を及ぼす十数件の申し立てについて判断を下す必要がある。同氏がこなさなくてはならない仕事の量には、法律の専門家さえも当惑しているのが実情だ。

裁判の遂行は、キャノン氏自身が昨年設定した5月の期日を過ぎるとみられる。トランプ氏は自らに対する他の刑事訴訟も口実にして、裁判をさらに先延ばしする考えだ。

キャノン氏は、もっと迅速に手続きを進められたのではないかとする検察側の批判に反論。新たな裁判日程を検討した3月の審理では、「表面上は何も起きていないように見えるかもしれないが、裏では膨大な量の作業が終了している」と主張していた。

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