米、既にウクライナへ長距離ミサイル供与 情報筋

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試験発射された長距離ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」=2021年12月14日、米ニューメキシコ州のホワイトサンズ/John Hamilton/Digital/White Sands Missile Range Public Affairs

試験発射された長距離ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」=2021年12月14日、米ニューメキシコ州のホワイトサンズ/John Hamilton/Digital/White Sands Missile Range Public Affairs

(CNN) 米国がウクライナに向けて、長距離ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」をこの数日間で供与していたことが分かった。多数の米当局者が明らかにした。ロシアと戦うウクライナ軍に対し、これまでは射程外だった新たな目標への攻撃能力をもたらした形だ。

供与の事実は17日、ATACMSの子爆発体がウクライナ国内にあることを示す画像がソーシャルメディアで拡散し始めて確認された。

複数の米当局者は同日、CNNの取材に答え、ウクライナ軍が既にATACMSを使用し、ロシア軍が駐留するウクライナ東部ベルジャンスク、ルハンスクの飛行場を攻撃したことを示唆した。ATACMSの中には約300キロの最大射程を持つタイプもある。

ウクライナ軍は同日、SNSへの投稿で、この攻撃によりロシア軍のヘリコプター数台と弾薬の貯蔵施設1カ所、防空ランチャー1基を破壊したと明らかにした。ただ攻撃にATACMSを使用したのかどうかは明言しなかった。

ウクライナのゼレンスキー大統領は演説の中で、ATACMSが威力を発揮したと認め、供与を巡る米国との合意が実行に移されたことへの感謝を表明した。

米国家安全保障会議(NSC)の報道官は17日の声明で、米国が最近ウクライナに射程165キロのATACMSを供与したと発表。ロシアの侵攻と戦うウクライナ国民に向けた現行の支援の一環だと述べた。

その上で、これらの供与が今後ウクライナの戦場での能力を著しく押し上げるとの見通しを示しつつ、米軍の即応態勢へのリスクはないとの考えを明らかにした。

ある米当局者によれば、ATACMSは「この数日の間に」供与された。バイデン大統領が供与を承認したのは先月半ばだったという。

バイデン氏は先月21日、ホワイトハウスでゼレンスキー氏と会談した際、APAMと呼ばれるATACMSの派生型を供与する決定について伝えていたという。

米国がこれらの兵器を秘密裏にウクライナへ送り込んだのは、ロシアの意表を突く狙いがあったとみられる。ロシア軍が供与に気付けば、当該のミサイルの使用前に装備や兵器を射程外へ移動させてしまう恐れがあったからだと、上記の当局者は説明した。

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