ウクライナへ昨年供与された西側の兵器、一部盗まれていた その後回収と米国防総省

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ウクライナへ送る弾薬などの装備品を荷台にのせる米空軍兵ら=2022年1月、米デラウェア州のドーバー空軍基地/Mauricio Campino/US Air Force/Reuters/File

ウクライナへ送る弾薬などの装備品を荷台にのせる米空軍兵ら=2022年1月、米デラウェア州のドーバー空軍基地/Mauricio Campino/US Air Force/Reuters/File

(CNN) ウクライナ国内にいる犯罪者や義勇兵、武器の密売人が昨年、西側諸国がウクライナ軍向けに供与した兵器及び装備の一部を盗んでいたことが分かった。これらの兵器や装備はその後回収された。CNNが入手した米国防総省の監察総監の報告書で明らかになった。

報告書によると、ウクライナの諜報(ちょうほう)機関が当該の兵器と装備を盗む計画を阻止し、最終的にはこれらを回収した。兵器などの盗難については軍事情報サイトのミリタリー・ドット・コムが最初に報じた。

しかし監察総監の報告書によると、昨年のロシアによるウクライナへの全面侵攻以降、国防総省が米国からウクライナへ供与した全ての装備を追跡、監視する能力は「困難」に直面している。武器輸出管理法で義務づけられるような追跡と監視を行うには、ウクライナ国内に存在する米国の人員に限りがあるためだ。

昨年10月6日付の報告書は、同年2月から9月までの状況を検証。ウクライナ首都の米大使館に設置された防衛協力室は、米国がウクライナへ2022年会計年度に供与した軍事装備について、義務づけられた最終使用の監視を実施することができなかったとした。

その上で、「国防総省の要員は現地を訪れることができなかった。ウクライナに供与した装備が使用、保管される現場を視察できなかった」と説明。このことが監視を実行する能力に著しい障害をもたらしたと付け加えた。

昨年10月、米国はウクライナ軍の武器保管施設での現場視察を再開。装備の追跡を改善する方途としてこれを実施した。国防総省はまた、ウクライナ側にスキャナーやソフトウェアといった追跡用のシステムを提供した。同省の元政策担当国防次官、コリン・カール氏が今年2月、国会議員らに明らかにした。

しかし報告書は、戦争初期の段階で米国にとって数十億ドル相当のウクライナ向け兵器及び装備を追跡するのがいかに困難だったかを強調する内容となっている。

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