ロシア疑惑にまつわる文書の重要な情報提供者、FBIへの虚偽供述問われた裁判で無罪

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ジョン・ダーラム特別捜査官(左)とイゴール・ダンチェンコ氏/Consolidated News Pictures/Getty Images

ジョン・ダーラム特別捜査官(左)とイゴール・ダンチェンコ氏/Consolidated News Pictures/Getty Images

米バージニア州アレクサンドリア(CNN) 米国のトランプ前大統領とロシアとの関係にまつわる疑惑の文書を作成する上で重要な情報源となったイゴール・ダンチェンコ氏が連邦捜査局(FBI)への虚偽供述の罪に問われた裁判で、バージニア州アレクサンドリアの連邦裁判所の陪審は18日、無罪評決を言い渡した。

トランプ氏とロシアの関係を探る捜査の不正を3年以上にわたり調べていたジョン・ダーラム特別捜査官にとって、評決は手痛い敗北となった。

陪審は約9時間に及ぶ評議の後、ダンチェンコ氏に対する4つの罪状全てに無罪の評決を下した。ロシア出身のアナリストの同氏は、トランプ氏にとって不利となる文書の作成のため大量の資料を提供していた。ダーラム氏は当初、FBIへの虚偽供述にまつわる5つの罪状でダンチェンコ氏を訴えていたが、判事は14日にそのうちの1つを退けた。

評決が意味するように、陪審はダーラム氏により説得されることはなかった。同氏はダンチェンコ氏がベラルーシ系米国人のビジネスマンとの接触に関してFBIに虚偽の供述をしたと主張していた。このビジネスマンは上記の文書の情報源だった可能性がある。

内容のほとんどが疑わしいとされるこの文書は、実証されていない複数の主張を英国の元スパイ、クリストファー・スティール氏がまとめたもの。同氏による調査は2016年、大統領選に立候補していたヒラリー・クリントン氏の陣営から間接的に資金提供を受けていた。

裁判中はダーラム氏本人が、弁論や証人尋問の大半を行った。時に自分の側の証人に対して、厳しい批判を浴びせる場面も見られた。証人らが結果的にダンチェンコ氏の弁護に有利な発言をしたためだ。

ダンチェンコ氏はロシア国籍を有しているが、数年間家族と共に米国で暮らしている。FBIは対諜報(ちょうほう)活動の脅威になり得るとして同氏を厳しく調査したこともあるが、その後は情報提供の見返りに報酬を支払うようになった。

ダーラム氏はダンチェンコ氏に指示を与えていたFBIの担当者に対して、同氏がロシアのスパイである可能性について詰問したが、証言に立ったこの担当者はダンチェンコ氏をFBIの貴重な情報源だと主張。ダーラム氏こそ同氏を起訴することで米国の安全保障を損ねているとの見解を示した。

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