ファイザーとモデルナのワクチン、J&J製より推奨 CDC諮問委員会

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J&J製の新型コロナウイルスワクチン=5月13日、米フロリダ州マイアミ/Chandan Khanna/AFP/Getty Images

J&J製の新型コロナウイルスワクチン=5月13日、米フロリダ州マイアミ/Chandan Khanna/AFP/Getty Images

(CNN) 米疾病対策センター(CDC)の予防接種の実施に関する諮問委員会(ACIP)は16日、新型コロナウイルスワクチンに関する推奨内容を変更し、ファイザーとビオンテックが開発したワクチンとモデルナのワクチンが、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンよりも推奨されるとする案を15対0の全会一致で承認した。

新たな文言は「18歳以上の人の新型コロナウイルス感染症予防には、mRNAワクチンがヤンセン(J&Jのワクチン部門)の新型コロナウイルスワクチンより推奨される」となった。

ACIPは、J&Jワクチンを接種した人の間でまれな血栓症の発症が以前の認識よりも多いことを示す新データの報告を受け、推奨の変更を決めた。米国ではこのワクチンの接種開始以降、血小板減少症を伴う血栓症(TTS)が54例ある。

そのうち女性7人、男性2人の合計9人が死亡した。

CDCの専門家によると、発症率は男女とも以前の推計より高い値となっている。症状はすべてワクチン接種後2週間以内に現れ、平均では9日以内だとしている。

54例中39例は、今年4月にCDCがJ&Jワクチンとの関連性を調べるため接種を一時停止する前に起きた。CDCは同月中に接種再開を認めたが、その後も症例数が増加していた。

同専門家は、すべての年齢層でわずかながら発症率が高くなり、最も発症率が高いのは30~39歳の女性で接種100万回で10件、次いで40~49歳女性で同9件だと述べた。

CDCの別の専門家によると、発症率は全体で同3.8件で、死亡率は同0.57件。リスクは女性の方が男性より高いという。

ACIPはこうしたデータのほか、J&Jワクチンがファイザーやモデルナのワクチンより効果面で劣ることを示す多数の研究も考慮した。

ACIPはJ&Jワクチンを推奨から完全に外すことも選択肢として考えた。モデルナやファイザーのワクチン接種後の心筋炎のリスクは、J&Jワクチン接種後の血栓のリスクよりも低い。ただ、若い男性に対してmRNAワクチンを避けるようにとの勧告が出る可能性もあり、J&Jワクチンを完全に外した場合に「若い男性のワクチンの選択肢を消してしまう」点を考慮した。

さらに、J&Jワクチンが受刑者やホームレス、他のハイリスクの集団に唯一入手可能なワクチンとなっていることが多い状況もある。

FDAは今週、TTSの既往歴がある人にはJ&Jワクチンを打つべきではないとファクトシートに記載した。ただCDCによると、TTS発症を予測する明確なリスク要因は分かっていないという。

米国では既に1600万人がJ&Jワクチンの接種を受けている。

ヤンセンの幹部はACIPの会合でJ&Jワクチンの独自性を強調。「我々はワクチンの便益とリスクのプロファイルに自信を持っている。このワクチンは米国や世界の全大陸で人々の命を救っている。我々のワクチンは違う。長続きし、高いレベルの保護を提供し、幅広い保護を提供する。貯蔵や輸送が簡単だ」と語った。

また「持続期間を考えれば、米国でも複数回の接種ができない、または希望しない人に好ましい選択肢となる可能性がある」とも説明。同社がTTSのリスク要因を把握する研究を行っているとした上で「TTSはまれな事象だが、新型コロナは残念ながらそうではない」と述べ、ワクチンよりも新型コロナがもたらす血栓症のリスクの方が高いと指摘した。

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