「アニメNYC」でオミクロン株の感染拡大か、入場者全員に検査促す 米CDC

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アニメNYCに参加した人々=11月20日、米ニューヨーク市/Kena Betancur/AFP/Getty Images

アニメNYCに参加した人々=11月20日、米ニューヨーク市/Kena Betancur/AFP/Getty Images

(CNN) 米疾病対策センター(CDC)のロシェル・ワレンスキー所長は7日、ホワイトハウスで行ったオンライン会見で、11月にニューヨーク市で開かれたアニメーションの祭典「アニメNYC2021」で新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が拡大した可能性について、接触確認などを行って調査していることを明らかにした。

CDCはこれまでに、同展示会の入場者3万5000人以上に連絡を取り、新型コロナの検査を受けるよう促している。

アニメNYCは11月18日から22日までニューヨークのジャビッツ・センターで開かれ、約5万3000人が来場した。

米国で最大規模のオミクロン株の集団感染になることはほぼ確実。ワレンスキー所長は「今回の調査データから、同変異株の我が国での初期段階の感染状況が明らかになるだろう」と話している。

CDCはニューヨーク市衛生局などと連携し、アニメNYCに参加した米50州と首都ワシントン、プエルトリコ、および他の27カ国の居住者に連絡を取っているという。

アニメNYCに参加したピーター・マッギンさんが疲労感を感じたのは、ニューヨーク市滞在の最終日だった。オンラインでしか会ったことのなかった友人たちと初めて対面した4日間は、楽しいことばかりだった。一緒に市内を歩き回り、アニメの展示を見て歩いた。

「ニューヨーク滞在中はあちこち歩き回った。たくさん歩いて睡眠不足でちゃんと食べなかったために、疲れが出ただけだと思っていた」とマッギンさんは振り返る。

11月22日にミネソタ州の自宅に戻ったマッギンさんは、ニューヨークで一緒に過ごした相手から、グループメールを受け取った。新型コロナウイルスに感染したという内容だった。

マッギンさんは翌日、自宅でできる簡易検査を行い、陽性反応が出た。

「私の症状は非常に穏やかだった」とマッギンさんは言う。「仲間が陽性だと知らせてくれなかったら、自分はただ風邪をひいただけだと思っていただろう」

マッギンさんの診断はPCR検査で確認され、解析の結果、オミクロン変異株に感染していたことが分かった。

もし自分がジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製ワクチンの接種と、モデルナ製ワクチンのブースター(追加)接種を済ませていなければ、もっと重症化していたかもしれないとマッギンさんは言う。

まだオミクロン株のことがよく分からない状況の中、マッギンさんは自分が役に立てればとの思いから実名で体験を語り、ミネソタ州衛生局が行うニューヨーク市での接触確認に協力している。

マッギンさんがニューヨーク滞在中に会っていた約30人のうち、自身を含めた計15人が新型コロナ陽性と判定された。ただ、1人を除けば全員が軽症で、マッギンさんによれば、その1人も入院は必要としなかった。

マッギンさん以外にオミクロン株の感染が確認されたのは1人だけだった。しかし保健当局からは、陽性だった全員がオミクロン株に感染している可能性は非常に大きいと説明されたという。

ミネソタ州衛生局は先週、11月19~21日にニューヨークを訪れてアニメNYCに参加した住民について、全米で2例目のオミクロン株の症例を確認したと発表していた。同じ週に発表された米国初の症例はカリフォルニア州で確認された。全米で遺伝子解析が進む中、オミクロン株の症例はさらに増えることが予想される。

アニメNYCでは入場者のマスク着用とワクチン接種を義務付けていた。マッギンさんによると、入場者の約99.9%が常時マスクを着用していて、安心感を感じたという。ただしワクチンは1回のみの接種でも入場可能だった。次回はワクチンの接種完了を入場の条件としてほしいとマッギンさんは注文を付ける。

アニメNYCの主催者は先週発表した声明で、「ニューヨーク市衛生局と積極的に連携している」と説明。入場者については全員に、居住地の保健機関かニューヨーク市の検査機関を通じてメールか電話で連絡があるはずだとしている。

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