ポンペオ米国務長官、多文化主義を非難 「米国の姿ではない」

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米国のポンペオ国務長官が多文化主義に対する非難をツイートした/Jim Lo Scalzo/Pool/Getty Images

米国のポンペオ国務長官が多文化主義に対する非難をツイートした/Jim Lo Scalzo/Pool/Getty Images

ワシントン(CNN) 米国のポンペオ国務長官は19日、公式のツイッターアカウントに投稿し、多文化主義に対する非難を展開した。このような思想は「米国本来の姿ではない」との認識を示した。

投稿の中でポンペオ氏は、政治的に覚醒して社会正義を実現しようとする「ウォークイズム(Woke―ism)」や多文化主義といった考え方を批判。「こういったあらゆる主義は米国本来の姿ではない。我々の輝かしい成り立ちをゆがめ、この国にとって何が最も大切なのかを見誤らせる。我々の敵がこうした分断をかき立てるのは、それによってこちらが弱体化するのを知っているからだ」と主張した。

ただポンペオ氏自身、様々な言説を駆使してまさにそうした分断をかき立ててきた過去がある。人種に基づく不正や警察の暴力に対する抗議行動が起きた際には、特定の人々への呼びかけで「不公正をただそうとする姿勢」を糾弾。米国の生活様式が「攻撃にさらされている」と訴えていた。

国務長官をあと1日で退任するポンペオ氏については、2024年の大統領選に出馬するとの見方が広がってもいる。

米国の価値観に「多文化主義」は含まれないとする今回の主張に対し、国務省内部からは直ちに批判の声が上がった。

外交官の1人は投稿内容を「良心に反する」と非難。別の外交官は、非白人や非キリスト教徒の外交官がこれを聞いたらどう感じるだろうかと問いかけた。

生え抜きの外交官であるコンラッド・トリブル氏はツイッターで、多文化主義こそ米国にとって最大の強みの1つと指摘し、「米国の多様性が持つ世界的なソフトパワーの威力はどれだけ誇張しても足りない」と述べた。

そのうえで「それを体現する取り組みを強化する必要がある。拒絶するのではなく」と付け加えた。

30年間外交に従事し、アフリカ系米国人大使の団体の幹部も務めるチャールズ・レイ氏は、ポンペオ氏の発言に失望と不快感を表明しつつ、同氏の後任となるブリンケン次期国務長官の声明を引用。「外交官らがあらゆる多様性の中で米国を全面的に体現する存在となることを約束」していたことに言及した。

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