バイデン氏支持率が５９％に上昇、政権移行の手腕も６６％が評価

（ＣＮＮ） ２０日に就任するバイデン次期米大統領の支持率が大統領選前と比べて上昇し、政権移行の手腕も評価されていることがＣＮＮの最新世論調査でわかった。ただ、米国の現状については厳しいとの見方が２００９年以降で最も高い割合となった。

支持率は選挙前の２０２０年１０月に実施した世論調査から７ポイント上昇し、５９％だった。

政権移行の対応は６６％がバイデン氏を支持。一方、闘争的な姿勢を見せたトランプ大統領の対応は７０％が支持しないと答え、共和党議員の対応も６６％が不支持と回答。民主党議員の対応は５１％が支持した。

バイデン氏が就任しジョージア州の上院決選投票の結果が認証されると、民主党は大統領と議会上下両院を押さえることになる。１つの政党がこれらをコントロールすることについて、いいと答えた人は５３％で、４年前の選挙で共和党が大統領と議会両院を押さえたときの数値（４９％）より高かった。ただ、２００８年に民主党がすべて押さえたときの５９％には及ばなかった。

重要課題の達成では、大半の人がバイデン氏がいくつかの課題を達成すると予測。新型コロナウイルスの経済対策法について成立する可能性が非常に高い、またはある程度高いと答えた人は８３％と最も高く、次いで同盟国との関係回復が７４％、就任１００日以内の１億回の新型コロナウイルスワクチン接種が７０％、誰でも購入可能な政府による健康保険の選択肢の提供が６４％だった。

政治的分断については懐疑的な見方が広がっている。バイデン氏が分断をいやせそうにないと答えた人が５４％で、特にバイデン氏が訴える必要のある共和党支持者の間では８８％に上っている。

大統領の仕事ぶりへの期待では、とてもいい、またはある程度いい仕事をすると考える人が６１％。４年前のトランプ氏（４８％）よりは高いものの、オバマ氏の就任時（７９％）よりは大分低い。また党派間でも大きな差がある。民主党支持者でいい仕事ぶりを期待する人はほぼ全員の９６％とオバマ氏の水準に並んだが、共和党支持者では１７％にとどまった。両党間での７９ポイントという大きな差は、トランプ氏の就任時の差と同じだ（共和党支持者は９３％がトランプ氏に期待、民主党支持者は１４％だった）。

ハリス次期副大統領の支持率は５１％で同氏の調査では過去最高になった。不支持率は３９％。ここでも党派によって大きな差があり、民主党支持者の９０％が支持する一方、共和党支持者からの支持率は９％だった。

ジル・バイデン次期大統領夫人の支持率は５８％とバイデン氏にほぼ並び、不支持は２８％だった。

最大の政権課題についても両党で大きく異なる結果となった。全体では新型コロナウイルスの流行が４６％とトップ、政治的分断が２１％、経済が１５％、人種的不公平が１０％、国家安全保障が７％だった。民主党支持者では６５％が新型コロナウイルス、１６％が人種的不公平と回答。一方、共和党支持者は３２％が政治的分断、３０％が経済、２５％が新型コロナウイルスと答え、人種的不公平と回答した人は１％未満だった。

米国の現状については７７％が悪いと回答し、０９年４月以来の高さとなった。党派別では民主党支持者が９１％、無党派層が７７％、共和党支持者が６１％だった。特に共和党支持者の現状の見方は選挙前の昨年１０月と比べて大幅に悪化。現状が良好と答えた人が７７％から３７％に減った。大統領選挙に負けた場合は悪化するのはよくあることだが、１６年の選挙での民主党支持者の落ち込みより大きかった（民主党支持者で現状が良好と答えた人は選挙前の８５％から６１％に下落した）。

経済の状況については良好との回答が４３％にとどまり、トランプ政権開始時の１７年１月の数値（５７％）より悪化した。

現在と比べた４年後の経済見通しについては、６１％がよくなるだろうと回答し４年前の４７％を上回った。ただ、ここでも党派による差が大きく、民主党支持者は９５％がよくなると予想する一方、共和党支持者は７３％は悪くなると答えた。

ＣＮＮの世論調査は調査会社ＳＳＲＳが１月９～１４日に実施した。対象は全米からランダムに選ばれた１００３人の成人で、固定電話または携帯電話でインタビューを行った。誤差の範囲はプラスマイナス３．７ポイント。