薬物の過剰摂取による死亡率、米が最悪 12カ国・地域調査
(CNN) 薬物を過剰摂取して早死にする率について、米国が他の12カ国・地域の2倍以上となっているとの調査結果が発表された。
内科系の医学誌に発表された調査によれば、米国は15年、薬物の過剰摂取を原因とする死亡率が最も高かった。男性は10万人あたり35人が薬物の過剰摂取によって死亡。女性は同20人だった。これは調査を行った他の国・地域と比較して2倍超の水準となるという。米国では2016年、推計で6万3632人が薬物の過剰摂取によって死亡した。
調査の対象となったのは、オーストラリア、チリ、デンマーク、イングランド、ウェールズ、エストニア、フィンランド、ドイツ、メキシコ、オランダ、ノルウェー、スペイン、米国。イングランドとウェールズのデータは合算された。2001年から15年にかけて20~64歳の人々の薬物の過剰摂取による死亡の傾向やパターンを調べたという。
薬物の過剰摂取によって死亡する率が最も低かったのはメキシコで、男性は10万人あたり1人の割合。女性は同0.2人だった。
専門家によれば、薬物の過剰摂取による死亡が米国で高水準にある原因のひとつは医療用鎮痛剤「オピオイド」の存在だという。
オピオイド系の鎮痛剤に関連した死亡件数の削減に成功した国もある。フランスでは、鎮痛剤「ブプレノルフィン」の処方者に対する制限をなくしたことで、オピオイドの過剰摂取による死亡率が79%減少した。
ブプレノルフィンは米国でも承認されており、行動療法やカウンセリングをともに利用することで、オピオイド依存症の治療に効果が期待できるかもしれないという。