トランプ氏、ボーイスカウトの大会で政治発言 批判招く
(CNN) ボーイスカウト米国連盟の幹部は27日、全米スカウト・ジャンボリー(ボーイスカウトの全国大会)でトランプ大統領が行ったスピーチがあまりにも政治的だったとして謝罪を表明した。党派色を出さないことが信条のイベントで政策に関する主張を展開した同大統領の行動には、関係者から批判の声が寄せられている。
ボーイスカウト米国連盟のマイケル・サーボー最高スカウト責任者は、24日の大会でのトランプ大統領によるスピーチに言及し「ジャンボリーに差し挟まれた政治的発言により不快な思いをしたスカウトの仲間たちに心から謝罪したい」「私たちの意図したものではけっしてなかった」と述べた。
トランプ大統領は約4万人の参加者を前にスピーチを行ったが、その内容は遊説やツイッターでなければ場違いと言われても仕方のないものだった。
トランプ大統領は「偽のニュース」を流すメディアをこき下ろし、オバマケアの廃止を訴え、大統領選での自らの勝利を自慢し、ワシントン政界を「汚水だめ」呼ばわりした。
これまでジャンボリーに出席した歴代大統領は、尊ぶべき価値や奉仕について話すのが普通だった。今回のあからさまに党派的なスピーチに対し、ボーイスカウト出身者からは批判が相次いだ。
サーボー氏によれば、大統領をジャンボリーに招待するのは1937年に始まった「長きにわたる伝統」だという。
サーボ―氏は「それは特定の個人や政党、政策を支持することではけっしてない」「私たちは(ずっと以前から)特定の勢力に与しない姿勢を貫き、政治問題にコメントするのを拒否してきた」と述べた。
ホワイトハウスのサンダース報道官は27日、ジャンボリーについて「私も同席したが、大統領の発言の間じゅう、目に入ったのは喝采を送る約4万〜4万5000人のボーイスカウトたちだけだった」と述べた。