警官による男性射殺、遺族が動画公開 米シャーロット
(CNN) 米ノースカロライナ州シャーロットで警官が男性を射殺した事件で、男性の遺族が24日までに、射殺に至るまでの様子を携帯電話のカメラで捉えた動画を公開した。
この事件に関連して動画が公開されるのは初めて。シャーロットではスコットさんの射殺をきっかけに、数日にわたり抗議行動が起こっている。
動画の冒頭では、妻のレイキア・スコットさんが「撃たないで。彼は武器を持っていない」と述べる声が聞こえるほか、駐車場で多数の警官が車両を取り囲んでいる様子が捉えられている。
また動画には、男性1人がスコットさんとみられる人物に向かって何度も「銃を捨てろ」と叫ぶ場面もある。
これに対しレイキアさんは「彼は銃を持っていない。彼はTBI(外傷性脳損傷)を負っている」「彼はあなたたちに何もしようといない。さっき薬を服用したばかりだ」と述べている。
遺族によると、スコットさんは昨年、事故で重傷を負い、障害が残った。このために薬を服用していたという。
続いてレイキアさんがスコットさんに向かって降車を促す声が聞こえた後、動画が揺れ、青いパンツを身につけた人物が車両の近くにいるのが一瞬だけ見えた後、銃声が複数響くのが聞こえる。
レイキアさんは「撃ったの? 撃ったの? 彼は死ぬべきでない」と叫んでいる。地面に横たわるスコットさんとみられる人物の上に2人がひざをついてかがみこむ様子が捉えられていた。
警察によれば、発砲したのはブレントリー・ビンソン巡査で、スコットさんが銃を落とせという命令に従わなかったのを受け、発砲に至ったという。遺族は、スコットさんは銃を持っていなかったとしている。
当局によると、ビンソン巡査もスコットさんも黒人男性で、警官らは令状執行のため別の男を捜していたところだったという。
捜査筋によれば、警察が現場から回収したとされる銃は銃弾が装塡(そうてん)された状態で、銃から採取された指紋や血液、DNAはスコットさんのものと一致したという。血液は警官による発砲があった後に銃に付着した可能性が高いという。
遺族の弁護士によると、当局者らが警察側で撮影された動画を公開しない姿勢を示しているため、今回の動画の公開に踏み切ったとしている。